スズメ

天気のいい休日などに、ごくたまにベランダに椅子を出して、嫁とお菓子を食べながらコーヒーを飲んだりする。
口が不器用な僕は、焼き菓子などをポロポロこぼしながら食う。
そして、そのこぼれた焼き菓子のカケラに、スズメが寄って来る。
大変かわいい。
かわいいので、意図的にあげたりもする。
他のスズメも飛んで来る。
すこぶるかわいい。
嫁が、スズメに焼き菓子を与えながら語り出す。

「この子は、何かエサ見付けたら、いつも真っ先に飛んで来るんよ」
「ほーほー」
「ほんであの子は、いっつも他の子が食べようとしたエサをすぐ横取りするんよ」
「へーへー」
「あっちのあの子は、のんびりしてるからいっつもエサ取りそこねるねん。かわいそう……」
「はーはー……って、それぞれのスズメの区別がついてんの？」
「えっ？　だってみんなお顔が違うやん。普通わかるやろ？」

普通わからんよ。