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血尿と頭突きの話は、もうしない。

「血尿を出してみたかったんすよね、高校生の頃。
有名な選手の本とか読むと『血尿が稽古のバロメーター』とか書いてあるんすよ。
やから、俺も血尿が出るくらい稽古せな‼︎って思ってたんすけど、やっぱりそうそう出るもんやないんすよね。
でも、ある時先生の機嫌が悪くて、先生の気が済むまでずっと組手させられたんすわ。
普通やったら3分ぐらいで終わるところを、30分ぐらい休み無しでやらされて。
なぜか『倒れたら殺すぞ』とか言われてるんすよ。
なんでこんなに怒らせたんか、全然覚えてないんすけど。
ほんでまぁ、ボロボロになりながらもなんとかやり遂げて、家帰ってトイレ行ったら、

出たんすよ、血尿‼︎

血尿ってね、赤やないんすよ‼︎
醤油みたいに真っ黒なんすよ‼︎
『お母さん、血尿出たで‼︎』って報告しに行きましたもん(笑)」


(笑)じゃねーよ。
こんな話を延々聞かされる女子の身にもなってみろ。


僕もバカではない。
女子が引いてることには、とうに気付いている。

でも、もうあかんねん‼︎
なんとかして血尿から話をそらそうと思ってるんやけど、もう戻られへんねん‼︎
そもそもなんで血尿の話になったんだ。

格闘技への入り口を

僕は初対面の人にも、「なにか格闘技とかやってますよね?」と、断定口調で聞かれることがある。
体型や顔つきで、そう判断されるのだろう。
いい年して「俺、格闘技やってます」って顔してイキって歩いてるとしたら、それはそれで恥ずかしい。
僕は「弱そうに見えて超強い」になりたいんだ。
今だと「強そうに見えて普通」だ。
それは嫌だ。

従って初対面、もしくはあまり喋ったことが無い人と喋ることになった場合(呑み会などで)、格闘技の話をされることが多い。
この、本当はそんなに格闘技に興味の無い相手に対して「私(俺)も格闘技やってみたい‼︎」と思わせる話が出来たら、セールストークとしては満点である。
だが僕は。

女子相手の場合

この場合こそ、「格闘技がいかに美容に良いか」と言ったセールストークをすべきところ。
格闘技は全身運動なので、実際美容にいいと思う。
だが僕は、

冒頭の血尿の話や、
試合で腕十字を意地張って耐えたらヒジからブチブチ音がした話や、
失神して丸一日記憶が無くなった話などをしてしまう。

早い段階で、相手が引いていることには気付く。
しかし、今さら修正が効かない。

男子相手の場合

これが男子で、しかも何かしらの武道や格闘技経験者なら話は早い。
僕のやっている「空道」の魅力を伝える。

柔道経験者なら、
「組んだ時に頭突きしてから投げてもいいんですよ‼︎」

空手やキック経験者なら、
「接近戦の打ち合いで、そのまま頭突きしてもいいんですよ‼︎」

僕が個人的に頭突き好きなので、やたら頭突き推しである。
空道は、ルールで頭突きが認められている。

「いや、別にそんなに頭突きしたいわけじゃないし…」
と、たいてい困惑したリアクションが返って来る。

「頭突きしていいんですか⁉︎」

と、目を輝かした昔の僕は少数派である。
最近やっとそのことに気付いた。
頭突きは、効くし使い勝手も良いしで、便利な技なんだけどな。

反省点

結局僕は、最初に空手を始めた十代の頃から、何も変わっていない。
結局、「こんなハードな競技やってる俺、すごいやろ」って言いたいだけなのである。

これからは、空道の楽しさを伝えて行きます。
実際に空道は楽しいし。
空道の伝道師になろう。




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