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恋愛適齢期

愛と教養のラブコメ映画講座を履修するシリーズです。

体調がイマイチ優れないときは、未視聴の作品を観る気になれなくて今まで観た中で好きな作品の好きなシーンを鑑賞することが多いです。ここ最近もあまり調子良くなくてキャメロン・ディアスとケイト・ウィンスレット主演の「ホリデイ」を観ていて、そういえばラブコメ映画講座で同じ監督の作品取り上げられていたことに気がついたので今回はこの作品にしてみました。ホリデイへの信頼感か安心感があったので、気力がない時でも大丈夫な気がした。この映画講座の作品を観るシリーズを始めてから出演者だけじゃなくて、監督とか脚本家に目を向けて作品を観るようになったかも。

バツイチの53歳の劇作家エリカ(ダイアン・キートン)が海辺の別荘で執筆しているところに、娘のマリンが独身の富豪ハリー(ジャック・ニコルソン)をボーイフレンドとして連れてくる。ハリーはエリカよりも年上の63歳。ハリーは別荘で心臓発作を起こし、エリカはハリーと2人だけで滞在しなきゃいけなくなる。一緒に過ごすうちにお互いへの理解を深めていく2人。そんな中、ハリーの主治医ジュリアン(キアヌ・リーブス)はエリカの大ファンで…

あらすじって難しいね。

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エリカとハリーの距離が詰まっていく様子が、めちゃくちゃ可愛いです。同じ家にいるのにチャットでやりとりするところとか高校生か!みたいな初々しさ。それでいて、ちょいちょいシニアユーモアを入れてくるところのバランスがとても最高。シニアユーモアと思わせておいての老眼鏡のくだりが後半に効果的に効いてくるのもとても巧い。個人的にはセックス前に血圧測るところが最高でした。

ライバルというか当て馬ジュリアン役のキアヌがこの頃40歳。とてつもなく爽やかで美しいの!物語の設定ではエリカの20歳年下なので33歳役だけど違和感はない。ラブコメ映画講座の作品では「いつかはマイベイビー」「おとなの恋は、まわり道」とキアヌが出ていたけど、3本目にしてやっとキレイなキアヌ。キレイなジャイアンくらいレアな印象を受けてしまったのは、私が最近の偏ったキアヌしか観ていないからかも。

恋愛市場では若い女性の需要しかないと思っていて、エリカはもう自分が求められたり、恋をしたりっていうのは終わったことなんだって決めつけて暮らしていたのだと思う。私たちは歳を重ねていくと需要がなくなる気がして、傷つく前にその市場から私はもう脱出しましたよという体裁を取りがち。多分私もそう。時々、男性が求める女性の年齢でどの年代も20代の需要ばかりという表をネットで流れてくるのを見る。若さ信仰の呪いはそこかしこにある。でも何歳になっても、みっともなくても恋はしていいし、した方が楽しいよねってこの映画を観て感じたよね。年齢に囚われて諦める癖をつけると世界の彩りは減る。泣きながら執筆するエリカは、他人が見たら馬鹿みたいだけど、あれ絶対アドレナリン出てたし、悲しみの陶酔して泣くのはちょっと気持ち良いんだよね…。その結果良い脚本が出来たのだろうし。それにパリの橋で微笑みながら悲しむハリーは、空回りして後悔していて惨めだったけど清々しくて羨ましかった。自分の欲と気持ちに素直になれた人は清々しい。

ちょっとジュリアンが都合良すぎたり気になる部分はあるけれど、まあそれも混みでのラブコメ映画だもんね。全体的に上品な仕上がりなので安心して観られると思う。ナンシー・マイヤーズすごいわ!なので次は「恋するベーカリー」かな。メリル・ストリープが得意ではないので躊躇していたのだけどこの流れならいけそう

その他のまとめはこちらです。マガジンの方にもまとめてます




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