「恋愛とは何か」本を読んだ感想

「恋愛とは何か 初めて人を愛する日のために」 遠藤 周作(著者)

 まさか拘置所の官本として出会うとは思ってもいなかった一作。著名な文学者である著者 遠藤 周作が、タイトル通り「恋愛とは何か」を文学的な視点、そして著者自身の経験から語る。

 恋愛における様々な感情について具体例も踏まえて分かりやすく、その正体やあるべき姿を説明していて、「なるほど」と感心させられたり、「うわ、これやっちゃってるから気をつけないとな…」と共感できること、反省すべきことが結構出てくる。

 特に印象に残っている言葉が「恋愛中における烈しい胸のときめき、苦しさ、悩ましさは愛ではなく情熱にすぎない」というものだ。

 詳しくは本をぜひ読んでほしいのだが、著者は「愛」と「情熱」は別物であり、「情熱」の対象はその人であるべきという必然性はない、このことを恋愛中はしっかりと理解・意識をして、時に自ら客観的にみつめることをしなければ、その恋愛はうまくいかないと語っている。(もちろん客観的すぎると冷めてしまうのでバランスが大事とも言っている)

 この本は昭和47年に出版され、実際書いたのはそれよりも昔ということで、書いてある表現や具体例が古めかしいところもあるが、エッセンスの部分はどの時代も不変だと思う。

 あと著者はどちらかというと女性に向けてこの本を書いてあるので、女性の方が楽しめるかもしれない。もちろん男性でも楽しめるはず。


ブログ村 へ


この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?