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ついに分センに配属される日だ

出所まで781日(月曜日)

 ついに分センに配属される日だ。朝食はパン、ココア、マーガリン、いちごジャム、分セン配属は一応扱いとしては工場勤務となるので、C食からB食にランクアップし、主食の量(パン、麦シャリ)が少し増えた。

 朝食後にオヤジが「今日から配役だから、荷物をカバンにまとめて」と言われる。荷物をまとめ、就業時間になったので鶴折りしながら待っていたら、あの正担がやってきて、「今日配役されるやつ、私物の確認するからキャリーバッグから全部出せ」と言われて、急いで日用品や書籍等の私物を提出する。せっかく綺麗にまとめたのに…。あらかじめ言ってくれればいいのに。段取り悪すぎるだろ…。

 1時間くらい待ち、他のオヤジがやってきてついに移動。日用品の検査が終わらず、まだ返却されていなかったが、後で届けてくれるらしい。キャリーバッグが死ぬほど重いので(本がいっぱいなのだ)、オヤジが台車にのせて運んでくれてありがたかったが、途中から結局自分で持たされて死にそうになる。あの伸びる持ち手がついていないタイプなので、持ちにくいし、左手には私物袋(こちらもパンパンで重い)を持っているので歩きにくいことこの上ないのだ。

 工場に入る直前に階段を上がるのだが、これがもうヤバイどころのはなしじゃなかった。工場のドアの前で1度軽く整列させられ、引率のオヤジから「これから君たちの適性観察をするための工場に配属します。先生たちからはキツイ言葉で指導されるかもしれないけど、そもそも君たちの適性をみるためなので、いい刑務所・工場に行きたいなら真摯な態度で頑張りなさい。」と言われる。

 そしてついに入場。工場内部はまるでメーカーの手作業工程ラインのような雰囲気。クーラーはもちろんなく、天井で無数の扇風機が回っている。中程まで進んで一列に整列し、分センの正担当から点呼をとられる。クソデカイ声で名乗らないとめちゃくちゃキレられて何度もやり直しをくらう。僕は声のデカさには自信があり、余裕で一発合格。終わったらまたキャリーバッグから荷物を出して点検される。その後、工場に入るときの検身のやり方などを副担当に教えてもらい、実際に検身室で工場着に着替えながら実践。パンツ一丁になり、手の表裏、パンツの中、足の裏、口の中に物を隠していないか一連の決められた流れで確認される感じだ。

 検身・着替えが終わったら、今度はクーラーがガンガンに効いた教室で、正担から工場での生活のしかたについて教えてもらう。んで、工場内の食堂で昼食。席があらかじめ指定されているのでそこに座る。メニューは麦シャリ、酢豚、シェルマカロニサラダ、ヤクルト。食後の休憩も食堂の自席で待機。近くの席の人と話していたら、奥の方になんと神拘で一緒だったバディを発見!!お互い目が合って大興奮するも、席を離れての会話が許されていないので残念。

 午後からは軽く整列のしかたを学び、またクーラーの効いた教室で講習の続き。今回は副担が色々教えてくれる。どうやら入って1週目は「1班」、2週目は「2班」と班が分かれており、4週目「4班」を満了したら(大体1ヶ月)センターを卒業。そこから本配属される刑務所に移送されるまでは「5班」として引き続き工場で生活するらしい。そして他の班とは運動時間でも会話禁止らしい…。バディとせっかく再開したのに残念すぎる…。

 風呂は人数が多いので工場内でAパート、Bパートと2パートに人数分けしたり、色々細かいルールが多いらしい。僕のパートは副担が面倒を見るらしいのだが、その話の後に僕に向かって「なんや、嫌そうな顔したな」と冗談を言ってきた。でもさすがに馴れ馴れしく「そんなことないですよ〜」とは言えず、マジメに「そんなことありません」と答えたら、「冗談やで(笑)」とフォローしてくれた(笑)分センの正担、副担はどちらもめちゃくちゃ指導が厳しいけど、僕らの更生を真剣に考えてくれていると態度から伝わってくるので、いい先生と出会えてよかったと安心した。

 講習の後は工場の自分の作業座席に座り、作業安全確認の書類に目を通しサイン。名前を呼ばれたときの離席のしかた等を教えてもらったら丁度3時半くらいになり、今日はこの後風呂ということで全員整列して風呂に向かう。まだ新しい居室に荷物を持っていけてないので、このときも重いキャリーバッグを持たねばならない。階段を下りるときは危なさすぎて死を感じた。

 風呂は分センルール(?)で風呂の座席番号の奇数番、偶数番でシャワーを5分ずつ交互にしか使えなかったり、残り時間3分になる前には風呂場を出なきゃいけなかったり、今まで以上に不便な感じだ。週2,3回しかない風呂の時間くらいゆっくりしたいところだが、刑務所ではそうもいかないらしい。風呂の座席が運よくバディと近く、会話はできなかったが湯船に浸かっているときに お互いにニヤニヤばかりしてきた。

 風呂が終わったらついに居室へ。神拘から一緒だったラガーマンと、あとは全員初対面の人と同室になったのだが、みんな刑務所でめずらしいくらい大人な感じの雰囲気で(刑務所にはいくつになってもガキみたいな人が多い!!)安心した。部屋にはテレビがついていたのだが、どうやら月曜のみ観ることができないらしいので、明日に持ちこし。

 夕食は麦シャリ、さば胡麻和え漬け、白菜わさび和え、さつま汁。

 夜はみんなでマジメに今日学んだことの復習をしていたら一瞬で消灯時間になった。初日から覚えることがたくさんあり大変だが、このメンバーと一緒なら問題なく卒業できそうだ。

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