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平凡な日々に息苦しさを感じたら。すぐそこにある幸せに気づく感性の磨き方

「ライターになって幸せになる」ことを目指す「京都ライター塾」を主宰する江角悠子さん。ライター歴16年の江角さんが書く文章は、親しみやすく、気づきが多い。ささいな日常の出来事から、ハッとするような気づきを毎日のメルマガに書くことで、多くの読者の共感を得ています。どんな平凡な日も、取るに足らない出来事も、江角さんの手にかかれば、何かしら気づきがあるような気がしてきます。そんな江角さんの視点から見た、感性の磨き方とは。お話を伺いました。


エッセイスト・ライター
江角悠子さん


感性豊かな人とは、ささいなことに目を向けられる人

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さつき うみ(以下、──) 江角さんの考える感性豊かな人とは、どのような人なのでしょうか。
 
 
江角さん 普通だったら流してしまうような日々の出来事をすくい取ることができる人かなと思います。私は吉本ばななさん、村上春樹さんの書く文章が好きでよく読んでいるのですが、お2人の文章を読むと、よくそこまで気がつけるなというような、細やかな感情の機微が表現されています。
 
特にばななさんの子育てエッセイが好きで読んでいたのですが、ひとつ気がついたことがありました。私自身子どもが2人いますが、子育て中はもうバタバタで、一日何をしていたかさえも覚えていないくらいです。けれど、ばななさんのエッセイには、子育ての中にあるちょっとした出来事をすくい取って、これが幸せだったなぁって、ちゃんと書き残しているんです。
 
子どもが言った「お母さんありがとう」とか、「おいしい」という何気ない言葉も、流してしまわずに、きちんと言語化されています。次の日には忘れてしまうようなささいなことは、意識して目を向けないとあっという間にこぼれ落ちてしまいます。時間に追われ、日々の子育てを、まるでタスクをこなすような感覚でしてしまうと、見逃していること、気がつけないこともいっぱいあります。
 
一方で、十分に時間がない中でも豊かに過ごすことはできるんです。子どもと一緒に食卓について、料理を味わうとか、お風呂に一緒に入る時間を楽しむとか。自分も一緒にその時間を楽しんでいれば、気づけるのだと思うんですよね。きっとそうなれるまでに時間はかかるし、どうしてもやるべきことを優先してしまって、なかなか思うようには進まないと思うけれど、こちらの方が豊かな世界だと実感できる気がします。
 
── まるで小道を歩くように、たまには立ち止まり、景色を味わう時間を持つ余裕も大切だということですね。
 

本で出会ったいい言葉を自分の中にストックする

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── 感性を磨くのにどのような経験が役に立ったと思いますか。
 

江角さん 本をよく読んだことでしょうか。昔家族で、毎週日曜日に図書館に行く習慣があったんです。いつも20冊ぐらい借りていました。
 
いろいろなジャンルの本を読んでいましたが、なかでも小説は描写が豊かなところが好きです。すごく楽しいことも、危機的な状況も、全部『やばい』と言っていたら、やばいでしかないんですけど(笑)。なにがどうやばいのかが小説には全部書いてあるので、知らず知らずのうちに表現力が身に着いたかもしれません。
 
本を読んでいていい言葉に出会うと、分かち合いたいと思うようにもなりました。おいしいお店に行ったら、おいしかったよと友人に教えたくなるのと同じで、いい言葉に出会ったら誰かに伝えたい。誰かにシェアすることで、自然と語彙が自分の中に増えて、いろんな表現ができるようになったのかもしれません。
 
 

日記を書くことは、自分の気持ちとの対話

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── 感性を養うのに有効だったと思う習慣は何でしょうか。
 

江角さん 昔から続いているのは日記を書くことです。10歳ぐらいから日記を毎日書く習慣がありました。社会人になってからはブログに移行しましたが、とにかく書くことは続けています。
 
書いていたのは、その日にあったこと、嫌だったこと、うれしかったことなどです。言語化すると自分の気持ちがよくわかると思うんです。なんか腹が立ったと書けば、なぜ腹が立ったのか考えるでしょう。そうしたら、「あんなこと言われて悲しかったんだ」と自分の隠れた気持ちに気づくことができます。
 
── 日記を書き続けたら、自分の隠れた気持ちにまで気づくようになったのですね。思いを言語化する習慣が身に着くと、物事を深く感じとり、表現する感性が豊かになっていくのかもしれませんね。
 
 
 
江角さんへの取材を通して感じたのは、特別にお金をかけなくても、日常の中で感性を磨けるということ。読書や日記という身近な習慣でも十分に、自分の言葉にならない気持ちと向き合うことができ、思いを言語化する感性が養われる。
 
タスクをこなす毎日が平凡で息苦しいと感じたなら、全力疾走していた足を少しゆるめ、たまには寄り道に一歩を踏み出す勇気を持ちたい。そんな小道を歩く、今、ここを楽しむ姿勢こそが、すぐそこに豊かな風景が広がっていることに気づく、幸せへの道しるべになるはずです。



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