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P&Gの取り組みが素敵だという話(LGBTQとショッピング)

P&GがLGBTQ層に寄り添う取り組みを行っているようです。

多様性という言葉にはじまり、今や様々なタイプの人々の存在が認められつつる令和の世の中。
多様性の代表格ともいえるLGBTQに当てはまる人々の存在はここ数年の間で広く認知されるようになりました。
しかしながら、現在でもそのような人々に対して偏見や差別的な知識を持っている人達も多いです。

このノートを書いている私自身も「Xジェンダー」を自称しています。
個人的にXジェンダーというものを説明するのならば「男と女の間」というイメージが適切かと思います。それ以外に説明する方法はありますが、今回は割愛します。

私は普段は女として生きています。
女として仕事をして、女として買い物をします。
しかし、そのような生活の中で息苦しさや恥ずかしさを感じることがあります。
普段の私はどこからどう見ても「女」です。
ただ、何故か息苦しさや恥ずかしさを感じるのは
「Xジェンダー」という性自認をもっているからだといえます。

今回のテーマであるLGBTQとショッピングという観点から話すのならば、例えば私が女性用下着売り場や生理ナプキンコーナーヘ行くことは非常に息苦しいのです。
私はどこからどう見ても女であるとは述べましたが、もしかすると「髪の毛の長い男」に見える可能性もゼロではありません。

私が「髪の毛の長い男」であった場合、女性用の下着売り場にいたとしたら、非性的マイノリティである女性はどのように感じるでしょうか?
また、私が生理ナプキンコーナーにいたらどのように感じるでしょうか?

他人からは決して理解されることはないと思いますが、私は私のことを『髪の毛の長い男』とも認識しているのです。
おそらく他人から見たら意味不明でしょうね。
どこからどう見ても普通の女である私が実は
『Xジェンダー』という『性自認』であり、
『髪の毛の長い男』という『性自認』である。
意味不明。意味不明。

P&Gが行っているこの取り組みは、
「インクルーシブ・ショッピング」という名称です。
このインクルーシブ・ショッピングというものは非常に素敵な取り組みです。
私のように意味不明な存在は常に苦しんでいるのですから。
ただの自意識過剰ともいえるかもしれないけれど、どこかの誰かが私のことを「下着売り場や生理ナプキンコーナーにいる変態ロン毛男」と認識しているかもしれないという不安を持ちながら量販店で買い物をするのは大変なのです。

誰もそんな風にあなたのことを認識していないよと思うかもしれませんが、当の本人からしてみれば「得体のしれない人間」を見ている時に特有な視線を感じます。

P&Gのインクルーシブ・ショッピングの取り組みがもっと広まったら、私のような人間も堂々と女性下着売り場や生理ナプキンコーナーで商品を選ぶことができるでしょう。

不思議な話ですよね?
身体的な性別が女なのにブラジャーやナプキンを選ぶことが恥ずかしいなんて。
もちろん思春期みたいな甘酸っぱい恥ずかしさではないですよ。そんな単純な恥ずかしさではありません。
男性なら気持ちがわかるかもしれません。
もちろん私の身体的な性別が女であることは紛れもない事実でありますから、この文章を読んだ方々が「実は男なんじゃないの?」なんて心配をする必要は皆無です。
ですから私が「男性なら気持ちがわかるかもしれません」と述べているのはXジェンダー認識の私という人間が発した言葉であり、所謂ネカマ的な立ち位置の人間がそのような言葉を発しているのではないということには注意していただきたいです。

もう一度言いますが、男性なら気持ちがわかるかもしれません。
華やかなブラジャーなどが並ぶ下着コーナーへ行ってみたら女性からの痛い視線を浴びることになるはずです。
また、可愛らしい装飾に塗れた化粧品コーナーへ行った際にも同様でしょう。果ては万引きなどを疑われるかもしれません。

性別という概念によって縛り付けられた商品を選ぶ際にはLGBTQ層はそのような苦しみを味わっているのです。

これからはインクルーシブ・ショッピングの時代です。






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