【実録】サビ残67時間、時給600円代の世界

なんでこんなことになった?
1年前とは言わない。半年前でいい。
非正規だったあの頃に戻らせてくれ

......頼む

2020年5月27日水曜日、時刻は23時を回り、事務所には私と一番ベテランである(所長を除く)50代男性の2人だけだった。
私は涙目になりながら、吐き気と今や見るだけで眩暈がするようになった書類の山と戦っていた。
自分が何をやっているのかすらもうよくわからない。

こんなに遅くまで残業をするのはさすがに初めてのことだった。
というのも、基本的に18時の定時を過ぎたら新しい仕事は振られないので、下っ端はそこまで遅くなることはない。
(5月は繁忙期であり、定時過ぎになっても何度か振られることがあったが、そこまで時間のかからない仕事だった)
また、4月に入った新卒に至っては20時を過ぎると、
「大丈夫か?もう帰りなさい。」と言われる。
(私も4月入社だが、30過ぎた童貞のおっさんなので何も言われない)

だが、この日は違った。
20時にもなろうかという時間に、ベテラン男性が私に声をかけてきた。

ベテラン男性「社会の底辺さん、今日私が使えそうな資料をもらってきたので、正式な決算資料をExcelで作ってくれ。よくわからないと思うから、前年度の決算資料とExcelをよく見てな。実は私も今年度から引き継いだところだから、よくわからないんだ(笑)

loser「あ、はい、わかりました。(書類多すぎだろ) あの......いつまでに作ればいいですか?」

ベテラン鬼畜「決算報告の日が月曜。金曜は一日外出してるから、明日の午後には確認したい。明日の午前までには。」

loser「......あ、はい。わっかりました。(明日の午前って、、、今日ある程度終わりが見えてる段階までやらないとならないじゃん)」


23時半を過ぎた頃、ベテラン男性が私の席に向かって歩き出した。
心臓が止まりそうになる。(なんでだよ)
私は身構え、何を言われるのかを想像する。

(こんな時間だし、さすがに「今日はもう帰りなさい。」って言わるのかな?だが、明日の午前中に終わる気がしない。)
と呑気な想像をし、人と話すため気持ちを整える。(病気かよ)

だが、次の瞬間、私は耳を疑っ......いや、疑いはしなかった。
ただ死んだ。心が。精神が。


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