書評:『ビジョナリー・カンパニー2 ― good to great』(ジム・コリンズ)

これで、『ビジョナリー・カンパニー』の1−4まで読んだので、現時点の全部を読んだと思いますが、その中で一番好きな本です。

私が好きなのは、「第5水準のリーダーシップ」です(過去、ハーバードビジネスレビューで過去読んでいたはずで、印象が残っているけど探せないでいる記事がありました。それは「良い会社を作る要因は属人的なものではない、CEOというスーパーマンの存在じゃないと思って調べていたら、大事なのはCEOだった」という記事です。内容がこれと一緒なので、「今思うとあれはジム・コリンズの記事だった」と思います)。

それは、「個人としての謙虚と職業人としての意志の強さを併せ持つ人」で、勝手に解釈すると「自分の名誉じゃなくて人の手柄にしちゃうという意味で謙虚だけど、みんながやらないハードな選択も合理的な理由があればみんなのためにしちゃう人」。

ちなみに、1−4基準は、

1:有能な個人、
2:組織に寄与する個人、
3:有能な管理者、
4:有能な経営者

でした(「3の人はオレオレになり、部下がイエスマンばかりになり、次代が小粒で、代が替わると業績が続かない」というのが面白かったです)

また、「適切な人をバスに乗せれば、モチベーションを管理・鼓舞する必要などない」というのは改めて納得しました。リーダーが「楽しいよ」とか「楽しもうよ」とか言わなくても、楽しい人には楽しいもの。「それを楽しめる人たちで会社はやれば良いんじゃないの」と思います。

そのために大事なのは、はじめに「これが『楽しい』と思う人集まれ」と宣言し、それで集まった人で、その通り正直にやるのが上手いやり方だということかなと理解しました(なので、マネジメントの考えを強制的に変えようとするのは無理筋で、それを努力するなら、「基本理念にあった人をマネジメントにした方が早い」という主旨だと理解しました)。マネジメントの宣言が嘘だと人心が離れるので、一貫性が必要で、嘘の無い自分ができる基本理念を文章にする能力が大事であるという内容だと思います。

会社じゃなくても、小さな組織でも同じことが言えるので、「自分の至らなかった点はアレとアレとアレだった」自戒しております。

『ビジョナリー・カンパニー2 ― good to great』(ジム・コリンズ)

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