書評:『日本人が知らない「アジア核戦争」の危機 中国、北朝鮮、ロシア、アメリカはこう動く』(日高 義樹)

前作『中国破れたり』で書いた通り、「通常戦力において、中国は米国に負けた」ので、「それを悟った中国は、核兵器を戦術的に使おうとしていて、危険。安倍政権の日米安保はそれに対応できていない」というのが要旨です。

米ソの時代は、戦略的核兵器、分かりやすく言うと、「核のボタンを押したら地球を破滅すると」いう前提が米ソともにあり、「核兵器は使えない」ものであった。だから、米ソに抑止力が効いていた。

しかし、今の中国は戦術的(=局地的)に核兵器を使おうとしている、「通常戦力では米国に負けるので、局地的な戦闘で核兵器を使う」という方針に変わっており、核兵器を使うリスクが高まっている。やけくその北朝鮮も、経済力が落ちたが軍事は強いロシアも似たところがある。「核兵器が使われるリスクの高まり」に、日本の安全保障は対処できていない。という話でした。

次なる安全保障上の課題は核兵器の拡散とその管理であるようで、戦後70年の「ボタンを押したら地球が破滅する」と自覚した米ソの秩序ある戦略的核兵器の時代が終わり、手軽に核兵器を使おうとしちゃう国々が増えている時代に突入。

平和主義のオバマ大統領が二期続いて、パクス・アメリカーナが終焉し、世界の(だいたいの)平和は無くなった。ブロック化した平和しか望めない時代に入りつつあると、私は思いました。

外交の国策を間違えると怖い時代に入ってきたので、我が子どもが戦争に巻き込まれないように、安全保障をしっかり勉強して、政治家を選ぼうと思いました。

『日本人が知らない「アジア核戦争」の危機 中国、北朝鮮、ロシア、アメリカはこう動く』(日高 義樹)


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