マガジンのカバー画像

安全保障の書評と評論

80
運営しているクリエイター

2018年11月の記事一覧

米国共和党は本当に負けたのか?

米国トランプ大統領に対して否定的な論調が目立つ。

本来、冷静であるべき真面目な新聞の政治欄でも、米国の政策を否定するコメントが多い。本来、メディアというのは、公正中立、両論併記が当然であろう。そんな中、冷静に世の中を分析しているメディアが少なくておっかないので、独自に、論評を書いてみることにする。

まず、米国の中間選挙である。

トランプ大統領は共和党であり、対抗するのは、オバマの民主党である

もっとみる

書評:『アメリカに敗れ去る中国 安倍外交の危機』(日高義樹)



米国共和党や米海軍に詳しい日高さんの最新本(2018年秋現在)。先に言っておくと、「中国終わった」というのが、感想(「もうすぐ終わりそう」ではなく、「お前はもう、死んでいる」であった)。

中国の軍事的脅威というがほぼ米国からするとなくて、巡航ミサイルをたくさん搭載した原子力潜水艦からミサイルを打ちまくると、あの岩礁にできた中国の基地は全部海の藻屑になるらしい。あれは、軍事的脅威ではなくて、た

もっとみる

記事:西側の大学が中国の新型ミサイルを作っているという話

日経におけるfinancial timesの翻訳記事。

中国軍事開発の現状の一部を書いている。欧米の大学にいて色々研究しているのが、中国の学者ということになっているが、裏でちゃんと中国軍と繋がっていて、軍事研究に利用しているという話。

例として、音速の6倍で動くジェットエンジンの研究をしていることが持ち出されている。この技術の適用先は、もちろん、中国のミサイルである。早いミサイルを撃ち落とすこ

もっとみる

米中貿易戦争 #4 東南アジアにシフト

日本企業の中国脱出が進み、駐在員は中国ではなく東南アジアに寄ってきているという記事である。もはや、生産拠点として中国は魅力を失っており、今後拡大するのは東南アジアであるということ。邦銀による海外の与信額も東南アジアにシフトしており、中国に対する投資は急に細っている。

まあ、日本企業や日本国内からの投資だけを見てもあまり意味がないのかもしれないが、欧州や米国の企業からしてもそうだろう。かつて、ドラ

もっとみる