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ビジネス書評

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2019年4月の記事一覧

書評:『2020年「習近平」の終焉』(日高義樹)

この本を読んだ感想は、中国の崩壊は今年中かもしれず、5年と持たないのではないか、ということである。

軍事の話この本は、軍事の話から始まる。米国のミサイル防衛網は良いとして、スペースXのロケットだが、中国を監視する衛星を積んでいたという話。中国からミサイルが発射されれば、すぐに探知されて(おそらく北朝鮮のミサイルも)、中国の弾道ミサイルも撃ち落とされるという話。あと、米国の巡航ミサイル用の潜水艦(

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書評:『若い読者のための第三のチンパンジー』(ジャレド ダイアモンド, レベッカ・ステフォフ, 秋山 勝)

人間が動物ではなく特別であるとすれば、どこが特別なのかを、科学的に探求したのがこの本である。若くないけど、すごく役立つ知識満載の本だったので、人に贈ることを検討しようと思いました。

チンパンジーと人間についてチンパンジーと人間の遺伝子は1.6%しか違わない。違わないが、チンパンジーと人間の間には大きな結果の違いがある。それはどこから生じたのかを生物学、遺伝学、考古学など様々な分野の情報を統合して

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書評:『Creative Selection Apple 創造を生む力』(ケン・コシエンダ, 二木 夢子)



iPhoneを使っている人は多い。Appleが好きだという人も多かった。Steve Jobsを好きな人も多い。Appleみたいな製品を作りたいという人は多い。Steve Jobsのような仕事をしたいと思っている人も多い。でも、Appleが実際どのようにプロダクトを作り出しているかを知っている人は少ない。そして、Steve Jobs時代のAppleと同じような仕事の仕方をしている人は、ほとんどい

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書評:『銃・病原菌・鉄 下巻』(ジャレド ダイアモンド, 倉骨 彰)



下巻は、文字の話から始まる。

文字を発明した国というのは少なくて、そのまま伝来したり、借りてきたりする国が多かったという話。最初は表意文字ができて、それが同音異義語として音に転用できることがわかって、音節を分解して、アルファベットのような文字ができたという話。意味はわからなくても、文字だけ借用したアメリカンインディアンの例なども引いていて、面白い。中東と共に、中国は文字を生み出した貴重な文化

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書評:『銃・病原菌・鉄 上巻』(ジャレド ダイアモンド, 倉骨 彰)



『サピエンス全史』を読んだ後、人類の発展を詳しく知りたければこれだと思う。むしろ、この本を読むと、サピエンス全史の雑さに気づく。

私のような日本人には、タイトルの『銃・病原菌・鉄』は、欧州人のアメリカ大陸の征服を想起させる。ところが、この本の内容は、欧州人によるアメリカ大陸侵略だけではない。ホモ・サピエンスが認知革命を起こした4万年前から1万年前を少し触れた後、主に、そのあとの農業革命が起き

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