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小学生の天晴れな発明と紙用接着剤の話(元教授の接着・粘着シリーズ、その3):定年退職41日目

先日、茨城県の小学4年の琴音さんが、世界発明大会などで「指用の絆創膏」で賞を受賞しました。テレビでも取り上げられているので、ご存じの方もいらっしゃるかもしれませんが、彼女の発明は素晴らしい見事なものでした。


指を怪我した時、絆創膏を貼る際に上手く巻けないことがよくあります。ガーゼの左右にテープの部分がありますが、指に貼るときにそれ同士がくっついてしまいます。皆さんも経験があるかと思いますが、大抵の場合、その後よじれてイライラし、もう一度貼り直すことになります(実はつい先日私も、まさにこの状況になりました)。

彼女のアイデアは非常にシンプルで、まさに「目から鱗」でした。ガーゼを真ん中から端に移動させ、片方のテープを短くしました(タイトル写真、下)。それだけです。久しぶりにスッキリした天晴れな発明でした。

先程の私の場合は、もう一度貼り直す際に、両方のテープの部分をハサミで半分に切って何とか成功?しました(単なる自己満足です)が、彼女の発想には全く気がつきませんでした。いやはや、参りました。さらに驚いたことに、駅前のドラッグストアに本日行ったところ、この絆創膏がすでに市販されていました。下に使い方も示されていますので、ぜひご覧下さい。

指にまきやすい絆創膏が市販されていました((株)マツキヨココカラ&カンパニー)
絆創膏の使用方法


今日後半は、紙用の接着剤の話をします。ご飯粒から始まり(接着シリーズ、その1を参照)、フエキ糊やヤマト糊が一般的になりました。そして現在は、スティック糊(下写真左)やテープ糊(右)も多いと思われます。私も両者を持っていて、使い分けています。

スティック糊(左)とテープ糊(右)


スティック糊が登場したのはいつだったでしょうか。昔、女子生徒たちが「ソックタッチ」という靴下が落ちない接着剤を使っていましたが、同時期かも知れませんが、よくわかりません。スティック糊は、必要な所だけを手を汚さずに糊付けでき、しかもスティック状でおしゃれさもあり革命的な気がしました。

最近では、スティック形状の欠点「角が塗れない」を補ったものや、一旦ずれても貼り直せる糊など、新しい機能が備わっています。そして私が一番驚いたのは、我が家で奥様が使用していたものでした。糊自体に青い色が付いていて、塗った直後はその場所がわかるのですが、紙の接着後にはその青色が消える、という糊です(下写真)。どこを塗ったかわからなくなることが度々ありますので、これは便利ですね。

塗った直後は青色がつき、接着後にその色が消える糊


一方、テープ糊も広がっています。私の場合、現在、使用頻度が一番多いのがこれです。なぜ良いかというと、手軽で綺麗に塗れ、乾く時間を待つ必要がなく、薄い紙もしわになりにくいからです。最近は、テープにつく粘着剤がドット状の「ドットライナー」を良く使用しています。

テープ糊には、もう一種類あります。上記のずっと貼っておくタイプではなく、張り替えができる、いわゆるポストイットになるものです。使用方法は簡単で、まず普通の紙にメモを書き、その裏にこのテープ糊をつけるだけです(下写真)。とても便利で、これも愛用しています。

貼ってはがせるタイプのテープ糊


以前、5月末に接着・粘着技術展があるので内容を報告しますとお伝えしましたが、実はそれより先に高機能素材展がインテックス大阪で5/8-10に開催されました。その中には、接着・接合に関する話や新しい機能材料に関する話がありましたので、まずそちらの話からします。明日からお楽しみに!


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