いにしへのこと

非常に大きく出たタイトルである。
が。
これから語ってゆく話は15年は前の話だし、まぁ間違ってもいない気もする。

僕が奈良を好きになったのは、恐らく中学生の頃だと思う。初めてJR奈良駅に行ったのは間違いなくその時だ。
それまで、家のお世話になっている(檀家では無い)お寺へ行くため、天王寺へは何度も行っていた。だが、どこか『天王寺は大阪だから都会であって当たり前』という気持ちがたぶんどこかにあった。
だが、中学生の時友人に連れられて行ったJR奈良駅は、明らかにその感情とは違った。
『奈良にも都会があったんだ!!』
と。
県外の方からは想像もつかないかもしれないが、僕の生まれ育った上牧という町は小さなスーパーに困ることこそないものの(1つだけそこそこ大きめのショッピングプラザもあった)、車がなければ最寄り駅にはバスで行き来しなければ行けない程度には田舎だった。要するに住宅地で、見渡せば低い山が広がっているような町だ。

それはもう三条通りが都会の素敵な通りに見えた。
都会とは違うが、当時の駅舎の佇まいやサモトラケのニケすらなにか特別なものに見えた。たぶん今復刻されたとしても特別なものに見える。自信がある。

その後、僕は高校入学は奈良市内、出来れば奈良タウン(昔は旅雑誌なんかにこう書かれていた。JR奈良~近鉄奈良周辺の事である)から近い場所を、と決めていた。
丁度美術科への憧れがあったのでそこを受けたのだが、色々と力及ばずで、結局近くの定時制に通うことになった。定時制ならアルバイトが必要なら出来るし、昼間美術や絵の勉強を図書館なんかで出来ると考えたのだ。そもそも、昔から朝に滅法弱く、小学生の頃から遅刻で呼び出しを喰らっていたぐらいなので、夕方からの授業は有難かった。

さて、ここからが奈良満喫の話である。
細切れで掘り下げたいので、また次回に持ち越したい。

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