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松本泰志の躍動で進化した戦術、絶対的な存在になる日は近い

まずシーズン前に投稿した記事が2,000回読まれました、自分にとって1つのマイルストーンだったので嬉しいです。
読んでくださった方ありがとうございます。
これからもいい感じの記事をぼちぼち投稿していきたいと思います。


怪我人続出、泰志の起用

さて開幕後いまだ負けなしのサンフレッチェ広島
一方で怪我人が続出しており、現在9人もコンディション不良でメンバー外になっている。川村も前節湘南戦で負傷交代も大事にはいたらず、ほっとしている。新井を補強した冬のウインドウが閉じたあと、これ以上の離脱ではやっているサッカーがブレてしまう可能性があった。
その中でずっとワントップを張っていたピエロスの離脱により、今シーズンのサンフレの特徴になるはずだった3トップ(大橋、加藤のシャドー起用)を変更せざるを得なくなった。

そこで起用されたのが松本泰志。
シーズン前のナッシムの移籍、ドウグラス・ピエロスの離脱により満田と大橋をそれぞれ一列上げることになった。そして泰志をボランチで起用し、この難しい状況で戦っている。

当の泰志。22年に連続ゴールでブレイクの兆しもスタメンに定着しきれず、その後起用されてもいまいちハマらずスタメン奪取とはいかなかった。
今年もベンチスタートが続いていたが、ピエロスの怪我でチャンスを得る形になった。

ピエロスと泰志のタスク

ピエロスはこれまで前線でのタメと裏へのランニングを繰り返すことでチームに貢献していた。

1トップがタイプの違う大橋になり、よりこぼれ球を拾うこと・ピエロスがしていた分誰かが裏抜けをする必要が出てきた。

そこで泰志は1トップ2シャドーに近いポジションをとり、特徴である3列目からの飛び出しをしている。

縦関係のボランチ

またボランチの縦関係が紫熊倶楽部でおなじみの中野さんによって複数記事にされているが、これは今に始まったことではない。もちろん現在明確に前後にポジションをとっているが、満田や加藤のボランチ起用をする時間帯もこれまでにあった。

また去年のアウェー札幌戦でもボランチの縦関係が明確に見られた。
ピエロス・ドウグラス・ナッシムが万全ではない状況で加藤が1トップを務めたこの試合ではボランチに東が起用されたが、現在と同様に川村と中盤で縦関係だった。

スキッベ監督はシーズン終わりから新しい形を試そうとしていたのかもしれない。残念ながらうまく機能せず、後半途中にピエロスが投入されこの形は1試合のみ、試合もスコアレスドローになった。

スキッベ監督のボランチ像

かつてミシャ、森保時代はウイングバックが高い位置をとっていたが、スキッベはサイドよりも中央を重視している。
相手の目線を変える裏抜けでもよりゴールに迫ることのできる中央を選ぶのがスキッベ監督のやり方だ。

詳しいことは言えないがスキッベ監督は4/12のTSSサンフレッチェ広島公式サイトのインタビュー記事で縦関係のボランチについて言及している。ぜひ読んでほしい。

これも含めてスキッベ監督の理想のボランチ像について考えてみる。

・ボランチを縦関係にしても後ろにアンカータイプではなく、
Box to Boxで自身もインサイドハーフが最も適性があると語る川村を起用していること

・ボランチに満田や加藤など本来前線の選手を起用すること

そして様々なインタビューを考慮するとボランチ(ピッチ中央のポジション)に求めるのは

・トランジションでの素早い切り替え
・何度もアタックするインテンシティ
・広範囲をカバーできるスピード
・前からのプレッシングについていく運動量
・前から行ったときでも前線と最終ラインを繋ぐ間で受けるポジショニング

この5つに分解されると考える。

個人的にはボランチというと中盤の底に構えスペースを埋める、ボールを受け展開し試合を作るというイメージがある。

その考えから冬の補強展望では守備的ボランチ(田中駿太、ユーリ・ララら)を補強ポイントとして挙げていた。

しかし明確にボランチが縦関係でなくても前プレ時にはボランチのうち1人がついていき、そもそもボールが拾えるならボランチでなくてもいいのだ。何ならボランチじゃない(それより前で拾える)ほうがいい

プレッシングがはがされたときスペースを埋める必要がないのは3バックがCBの仕事もボランチ並みの防波堤の役割も同時にこなせるからだ。

剝がされ中央でボールを運ばれても、塩谷・荒木(中野)・塩谷が立ちはだかり、両ウイングバックが絞り川村が戻り体をぶつけることで回収する。
ピッチの上での状況は全く異なるが、やっていることとしてはは前線でのプレッシングと同じなのだ。

1トップ3シャドーで泰志は輝く

代表を経てさらなる成長を見せた川村はボランチの後ろで広大なスペースを任されるほど、監督に大きく信頼されている。

スキッベ監督は川村と泰志が逆になっても問題がないと語るが、泰志には川村以上に柔らかさがありシュートやパスのキャンセル、もちろん盤面を読み空いているスペースをうまく使うことができる。
監督自身が今の配置を選択していることからも現在の関係性が最もハマると考えているだろうし、その通りになっていると思う。

ワントップの近くにポジションを取り、機を見て裏へ飛び出すもはやシャドーの動きをする泰志。スタメン4試合が予想される今日は古巣アビスパ戦、離脱選手が戻ってきてもスタメンの座を譲らない絶対的な選手になるために、ここまで負けなしのチームと共に数字として結果を残すことを期待したい。


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