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FRB入門#8 市場との対話㊦
「市場との対話㊦」、この1週間ほど予定が急に詰まり、㊥から1週間ほど空いてしまいました。ただ、少し遅れたのは、かえってよかったように思います。この間にFRB高官の発言が相次ぎ、雇用統計のサプライズもあって、市場の金融政策の予想が結構かわったからです。
この1週間ほどの出来事を振り返りつつ、「市場との対話」の意味合いを少し俯瞰してまとめたいと思います。
本題の前に、7/27のFOMC後のパウエル
FRB入門#7 市場との対話㊥
日本時間きょう未明のFOMC。パウエル議長の記者会見中にナスダック株が急上昇するなど、市場で注目を集めました。きのう配信した「市場との対話㊤」(下記リンク)の延長線上で、今回の記者会見をケーススタディーとして、「対話」の難しさとおもしろみをみていきましょう。
たてつづけのリンクで恐縮ですが、きょうの記者会見の主な発言一覧は下記の速報解説にあります。
今回の0.75%利上げは市場でもほぼ織り込ま
FRB入門 #6 市場との対話 ㊤
日本時間あす7/28(木)未明にFOMCがあります。直前の「FRB入門」のテーマは「市場との対話」。アメリカの金融政策を読み、そして楽しむうえでの醍醐味ですが、その意味合いのコンパクトな解説はあまり世の中にないように思います。
今回は大きなテーマなので、㊤㊥㊦にわけます。【㊤】はこの1年ほどを振り返りつつ、FRBの説明の変遷を確認。【㊥】はあすのパウエル会見という鮮度の高い題材を「市場との対話」
FRB入門#5 逆イールド
【注】7/26配信の記事をもとに、9/15時点の状況を踏まえ上書きしました
前回、「逆イールド」とはなにか、なぜ「景気後退(リセッション)の兆候」とされるかを説明しました。今回は過去の逆イールド局面も簡単に振り返ります。
上記は1987年以降の長期チャートです。緑のシャドーが「景気後退(リセッション)」(NBERベース)です。そして赤丸が「2年-10年」の逆イールド。いずれも景気後退の少し前に
FRB入門 #4 イールドカーブとは?
【注】7/25の配信記事を9/14時点の状況を踏まえ上書きしました
FRBの大幅利上げ観測が強まっており、9/14には2年債が一時3.83%まで上昇し、15年ぶりの高い水準を付けました。2年債利回りが10年債利回りを上回る「逆イールド」が深まっています。景気後退のシグナルといわれる「逆イールド」や、そのもととなる「イールドカーブ」をできるだけかみ砕いて解説します。
国債は3カ月債や10年債、3
FRB入門 #3 そもそも10年債って?
10年物国債。いろいろある国債のなかでも主役といえ、マーケット報道でよく耳にします。「10」がキリの数字ということもありますが、それ以外にも注目される理由があります。そこを理解すると、「金利と株価の関係」や「イールドカーブ」など債券市場の重要な概念もかなりわかってくるようになります。
前回、3カ月物国債や2年物国債の金利は今後のFRBの政策金利の予想でほぼ決まると説明しました(👇リンク)
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FRB入門 #2 利上げと国債金利
前回、中央銀行の「利上げ」は「銀行間の短期金利の引き上げ」と伝えました。一方、最近の報道では「米国債金利」「米長期金利」という言葉も報道でよく目にすると思います。今回のテーマは短期金利と長期金利の関係。少し複雑ですが、ここを理解すると景気や株価との関係も一気にわかりやすくなります。
国債金利と銀行間金利カードローンや住宅ローンに返済期日があるように国債も3カ月債や30年債など様々な種類があります