オートクチュール

という映画を観た。ディオールの美しいアトリエ、お針子さんたちの繊細な指先の動き。夢のようなドレス。でも、美しいだけではない映画だった。自分の人生について考えさせられる内容だった。自分がしたいことって何なのか分からないまま生きてきた。ただ、生きてきた。信念もなく、理想も目標もなく。生きているから生きているに過ぎず、棺桶に早く入りたいと願う日々。別に寂しくないし、楽しいこともある。他人から寂しいでしょとか言われると勝手に決めつけんな。と思ったりする。でも寂しいかは別として、婚約破棄をしたことがある自分。そうするだけの理由はあり、周りからは婚約相手は結婚詐欺師みたいだとかなんだとか散々なことも言われた。別れて良かったねとしか言われなかった。でも、何だか結婚できない自分は欠陥があるのだろうかと思えてくる。自分以外の独身者に対してはそんなこと思わないのに、自分に対しては思う。オートクチュール。あれほどの情熱と厳しさをもって何かに打ち込めるって羨ましいと思った。仮に今、死んでも何の悔いもない。何か悔いを感じる人生を作りたかった。

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