感受性について

毒の花の君がいなくなってから、寂しいという感情が消え失せた気がする。あんなに寂しい寂しいと言っていたのに。感受性が破壊されたのだろうか。死ぬべきは私だった。もちろん、そうだ。君は死にたがりだった。もちろん、私もだ。けれども君は生きたがりでもあったのかもしれない。悪いがそれは理解できない。僕は生きたい気持ちが今のところは分からない、ごめん。消えたい気持ちなら多分、わかる。お互い刺し合えば良かったのだろうか。僕は毒の花の君になりたかった。そのものになりたかった。なれるはずがないと知っていたはずなのに愚かにも。そのものになりたくてなりたくて発狂しかけたが、いっそ狂えば良かった。自分のことも分からないぐらいに。

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