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映画「マッチング」観た

Snow Manを応援し始めて4年目になる。

2021年2月ころだっただろうか、佐久間くんが髪をピンクに染めたのを覚えている。
当時Snow Man内でちょっとした派手髪ブームだった。ふっかさんが襟足を青くしたり舘様がロイヤルシルバーにしたり。
「HELLO HELLO」のMVが撮影された頃。

そのあと4月の舞台のために全員黒髪になった。

ピンク髪は一時の気まぐれかと思ったが、佐久間くんは舞台が終わればすぐにピンクに戻した。
もう地毛がピンクなのではなかろうかと思うほどに定着したヘアカラー。
佐久間くんのアイコンでもあり、Snow Manのアイコンでもあったのだ。(スノスト見分けつかない人にも「ピンクの子がいる方」で通じる)

ピンク髪に相当のこだわりを持っていたはずの佐久間くんが、2022年秋に突然白に近い金髪になった。しかも、数ヶ月経っても情報解禁されない。
映画だろうと予想はついたが、解禁されるまでは少しやきもきさせられた。

前置きが長くなってしまった。
映画「マッチング」にストーカー役で出演すると発表された時は驚いた。
でも、驚いたのは一瞬。
ビジュアルを見た瞬間、佐久間くんがやるべき役だと思った。
佐久間くんは「俺のどこを見てそう思うんだよ?」とケラケラ笑うだろうけど、本当にハマり役だってば!!!

※ここからネタバレ祭り※
















愛に狂った親子。本人たちはそう思っている。
節子が取り憑かれたそれは本当に愛なのか?

凄惨な連続殺人。
すべて影山が手をかけたと思われたのだが、本人の供述は違った。輪花の恩師夫婦と友人の3人だけだと言う。
ここで違和感の正体に気がつく。
影山の標的は「輪花がショックを受ける人」で、カップルにこだわらない。
輪花の父親の死は、節子が語ったことが本当であれば、輪花の母の姿を見て責任を感じ自殺。

あとは向かい合わせに座り鎖で繋がれた新婚夫婦ばかり。
みんな吐夢がやったのだとしたら。
映画のポスターにある「死ぬまでお幸せに。」はもしかして、そういうこと?
吐夢は、夫婦は生きてるといずれ別離してしまうから鎖で繋げばずっとずっとなかよく幸せでいられると思っていて、よかれと思ってやっているの?

節子は、長年の不倫の末に選ばれなかった怨みを相手の男ではなく妻にぶつけるタイプの女。
影山も、直接何かされた訳ではない輪花に復讐しようとする。
吐夢は、血の繋がりはあっても一緒には暮らしていないから、二人とは感覚が少し違うように見えた。


ここまで、小説「マッチング」を読まずに書いた下書き。
ここから、小説を踏まえた感想。


愛に飢え、愛に溺れ、愛に狂っていく親子。
愛に臆病な主人公は彼らに巻き込まれ傷つけられていく。

吐夢。
愛を知らずに育ち、聖書を読んで本当の愛は「犠牲」であると理解している。
マッチングアプリは本物の愛ではないと嫌悪している。「アプリ婚」に本物の愛で結ばれた夫婦はいるのか?
吐夢の理想に当てはまらない夫婦は、吐夢により罰せられる。
輪花に出会って「本物の愛」を見つけ、輪花のために身を捧げることもいとわない。
輪花と心が通い合ったように思えたのだが、愛する人と両思い(?)になっても吐夢の裁きは終わらない。

影山剛。
吐夢に負けず劣らずのストーカー力(ストーカーりょく)。
母が道ならぬ恋に狂い、壊れていく間も共に暮らさねばならなかった。精神的に虐待されていたと言ってもいいと思う。母親からの愛を渇望し、輪花には憎しみを募らせる。
金子ノブアキさんの柔和でしっとりとセクシーな佇まいにクラッとする。輪花の前で本性を現した時の迫真の演技が最高に怖くてゾクゾクした。

影山節子。
ストーカー二人を産み落としたストーカー女。
映画では変わっていたが、節子のハンドルネームが「マリア」であることはかなり重要では。
作中に散りばめられたキリスト教を示唆するアイテムのうちの1つだろう。
赤い服と赤いカーテンの部屋は、血と苦しみの象徴?
宗教画では、赤い服に青いマントが聖母マリア、緑の服に赤いマントがマグダラのマリアらしい。
白は聖母マリアの純潔の象徴。
節子はどちらに自分を重ねたのか?
赤い服を脱ぎ、白い服になった節子は精神的に安定して穏やかに暮らしてきたように見える。
赤い服を着ていた時代の苦しみをすべて輪花の母に負わせて。
斉藤由貴さんといえば、最近ではNHK「大奥」(よしながふみ原作)で春日局を怪演していたことが記憶に新しいのだが、今作でもふわりと可愛らしい雰囲気にコロリと騙されてしまった。ヤバすぎ。(最高です)

小説を読むと、吐夢がとんでもなく猟奇的でヤバいやつなのだが、ちょこちょこ可愛いところがあるので好きになってしまう。
(常に長靴だから、歩くたびに「ブコッ」って音がするんだって!!かわいい!!!)
それと、ルックスがなかなか良いという点と、ピンクが似合うという点。これは吐夢が佐久間くんだからこそなのかな。
さっくんは、吐夢の「ぺたりと貼りついた笑顔」と後半の人間らしくなった笑顔をよく演じ分けていたと思う。
アンドロイドのような無表情に一本調子の話し方から、やわらかい表情へと変わっていく様が見事だった。
でも、最後にまた……貼り付けたようなあの顔である(ゾッ

我々は、まだ吐夢に騙されている。
いや、もっと騙されていたい。我々の心を捕食してくれ。
佐久間くんは吐夢を「愛してあげたい」と言っていたと記憶している。
怖いのに、ヤバいやつなのに、かわいい。憎めない。放っておけない。
そんなキャラクターに出会えてよかったね。

続編があるなら…、輪花に出会う前、高校生〜25歳までが観たいな。


あっ、あと最後にもう一つ言わせてくれ。
ラヴェルのボレロ!!!!!
好きな曲なのに!!!!!!
怖くなった!!!!!!!!😭😭😭

(のだめカンタービレではゲラゲラ笑ったのにな〜、本当に同じ曲なのか。。)


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