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映画「わたしの幸せな結婚」見た

いざ、映画館へ!


⭐︎ネタバレ含む感想です。

推し、目黒蓮の単独初主演映画。
何としても公開3日以内に足を運び、数字に貢献したい(特典も欲しい笑)一心でスケジュール調整し、いざ劇場へ。

「わたしの幸せな結婚」
原作は小説。コミカライズされており、アニメ化も決定している。
今回予習は最小限。原作小説の無料公開部分(清霞が美世に「明日から朝食を作ってほしい」と言うところまで)を読んで終わり。
和風シンデレラといったところかな、という感想。


単なる胸キュン映画ではない、作品世界の作り方

さて、映画の冒頭からその印象は覆された。
架空の世界の中に、しっかりと歴史や政治的な勢力図が作り込まれている。

これ、ハリーポッターや指輪物語(ロードオブザリング)などのファンタジーバトル映画好きの層にはガン刺さりするんじゃないのか!?

敵は単なるエイリアンではない。
人の感情…恐怖や憎しみ、怨念などが姿を変えて脅威になる。「鬼滅の刃」に近いものを感じる。

特殊能力「異能」は、家系ごとにできることが違っていて、なかでも未来を予見できる力を持つ一族の者が「帝」となり代々国を治めている。
「異能」を使う時、顔に家紋?のようなものが現れる演出がカッコよくて、厨二心をくすぐる。

清霞と美世は無事に結ばれるのか、それからこの世界に平和は戻るのか。
物語のカギは、得体のしれない怪物ではなく、権力者の思惑渦巻く政治問題なのだ…という展開。
これは…。面白いじゃないの。

ジャニーズ主演、少女漫画な胸キュンのラブコメと思って敬遠してしまう層にも届けたいなぁ。。
(めめが、「ふっかさん好きそう」と原作をすすめて、ふっかさんが見事にハマる流れ好き)


キャラクターについて

わかりやすい。
「えっ、この人が!?」という意外性はなく、序盤から怪しい人がずっと怪しいし、継母と異母妹はわかりやすく意地悪、女中さんは優しかった。
一つ意外だったのが、清霞率いる部隊のメンバーが軍隊らしいガチガチに上下関係厳しい(無駄口叩いたりしたら罰せられる)感じではなく、野球部かな?くらいに和気藹々としていたところ。
これは、終盤の戦闘シーンでの清霞の苦しさ、無念さを分かりやすく浮き上がらせるための設定だったのだろう。清霞の心情を考えながら、なるほどと思った。


美世・今田美桜さんの演技

序盤は、粗末な着物にあかぎれだらけの手、目が落ち窪んだような顔。これはメイク技術によるものだけれど、縮こまって小さくなった背中や怯えたような視線の使い方、そして異母妹と再会したときのあの挙動。いじめられてきた人ってああなるんですよ。上手い…。
身なりを整えたあとは、本来の美桜さんの愛らしさが存分に活かされて、思わず守りたくなるようなヒロインだった。
しかし美世は「守られたい」よりも役に立ちたい、共に闘いたいというガッツのある子で、その芯の強さもよく表現されていた。

清霞について

原作で「女性と見間違えるほど美しい容姿と所作」であると書かれている役を、見事に表現していたと思う。
地毛を染めてまで作った銀髪の長髪も、ポスターヴィジュアルより動画のほうがずっとずっと素敵だった。激しい戦闘シーンでも、なびく髪の美しさに一瞬心奪われてしまうほど。
整ったお顔がアップになるシーンは全人類惚れさせる威力がある。
それから、笑顔がとんでもない。破壊力が強すぎる。満面の笑みではない、ふっと目元を緩めるようなわずかな表情の変化だけで画面が暖かくなる。目黒蓮の笑顔、つ よ い。


お互いが大切な人になるまで

政略結婚で出会った二人が少しずつ「惹かれ合う」ではなく「心を通わせていく」という表現がぴったり。恋というよりは、慈愛に近いものを感じた。
「壁ドン」みたいなわかりやすい胸キュンシーンはない。じわじわと温められるような愛が育っていく過程が丁寧に描かれていた。
最初は、ボロボロの捨て猫を家に招き入れたような印象だったけど、お互いが持つ優しさが閉ざしていた心を解かしていく。
そして清霞は美世を苦しみから解放してやりたいと思うようになり、美世は清霞が背負う任務の役に立ちたいと思うようになっていく。
守り守られる関係ではなく、共に闘おうとする二人…。尊みが強い。


政略結婚ということ

身分の高い人ほど、個人を尊重してもらえないのではないか。
あくまで家を存続させるための駒。
美世はシンデレラと違って父は存命なのに守ってもらえなかったのは、父もまた政略結婚の被害者だから。
清霞が婚約者候補に対し心を閉ざしているのも、名家の当主であることなどスペックでしか見てもらえなかったからではないだろうか…
次期帝の皇子も、美世の異母妹とその婚約者も、みんな生まれた時から将来がほぼ決まっていて、そこに本人の意思を挟む余地はない。
自由がない、というのは少なからず人格を歪めるような気がする。


「わたしの幸せ」とは?

この作品で表される「幸せ」とは、自分の運命を自分で決めることかもしれないと思った。
「決まったことだから仕方がない」ではなく、自分でそうしたいと思ったことをする。一緒にいたいと思う人と暮らす。いたってシンプルなこと。
二人ともがそれを叶えるために奮闘する物語だ。

二人が対峙するものはあまりにも大きな………
まだまだこれからというところで今作は終わっている。

これは、シリーズ化してほしいなぁ。結末まで完走したい。
とりあえず、原作読まなきゃ!



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