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「若者は人間関係作りが下手で~」と言う前に~証拠を歪んだ認知で繋げる危険~

「日本の若者が深い友人関係を築けなくなった『決定的理由』」という記事があり、事例が具体的かつ記述も丁寧で、面白く読んだ。

しかし一方「この記事も結局、『若者が深い友人関係を築きにくくする雰囲気』を助長するのに一役買っているのではないか」とも感じた。

本記事では、若者は「家族回帰が起き、親(母親)に何でも相談する傾向が増えている」「誰かの行動等に対し、『人それぞれだから』として処理して深く突っ込もうとしない。多様性尊重のようで実は冷たい」とのことだが、これは悪いことだけなのだろうか。

言い換えれば、「まずは一番身近な他者(家族)と上手く関係を結ぶことで足場を作り、すぐに否定や、その真逆の依存をせずに、人々の多様性を冷静に見れている」とも言えるだろう。

日本人と交際し、共同で本を出したキューバ人の話で「母親と何でも深く話せたのは良かった」と述べていたのが印象的だったが、その通りなのだ。キューバ人が親と親密に話せるのは「長所」で日本人が親と親密に話せるのは「短所、マザコン」というのはおかしい。

子供とのコミュニケーションが母親側の負担として偏りがちなのではないか、というのは問題だが。

結局、若者側に問題があるとすれば、「長所があるけど自信が持てない」という事じゃないのか。言い換えれば長所を長所と、良かった行動や出来事を良かったと認識できないから、それらを続けたり活用したりして、更なるチャンスや広い視野に繋げることがしづらいという事じゃないか。

そして具体的事例やエビデンスを並べても、どこかで若者を下に見る論調でそれらを繋げてしまうと、結局自信の無い若者を生み出す雰囲気作りを醸成してしまうことになる。

自信があれば何でもできる……とは言えないが、自分の関心のある他者と繋がり、視野を広げ、違いを尊重し合いながら、たまにはお互いの理想の共通点と相違点を確かめ合い、議論してみる。以上のことはそれぞれバラバラでなく、繋がっているので、一人一人が自分ができていることを噛み締め進んでいくなら、自然と「深い友人関係」があちこちでできるいくものかもしれない。

いや、もう見えにくいだけでできているのかもしれない。




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