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忘れられない映画

好きな映画はたくさんあるが、ただ好きという言葉ではまとめられない、忘れられない映画もいくつかある。
好きな映画についても書きたいが、ふと思い出したので、今日は忘れられない映画をいくつか挙げたい。

人のセックスを笑うな

井口奈己

『人のセックスを笑うな』は2007年の映画である。
はじめて観たのはわたしは小学生のころだ。なかなか寝れなくてリビングに行き、テレビをつけたらそのチャンネルでやっていたのがこの映画だった。小学生のわたしには刺激が強かった。
いけないものを観ている気にはなったが目が離せなくて、しばらく観ていたのを覚えている。

わたしは今泉力哉や行定勲や、ああいった監督の映画がすきだ。この映画がわたしに与えた影響が大きいのかもしれない。

大人になってから、ふと思い出し映画を観た。
すごくおもしろくて、また目が離せなかった。
原作に小説があることも知り、それも読んだ。すばらしい映画の原作はすばらしい。小説もだいすきだ。

言葉を選ばずに言うと、わたしの性癖をつくった映画といえる。映画的な意味でも性的な意味でも。

ちょっと思い出しただけ

松井大悟

わたしはいま大学4年生だが、わたしの大学生活はコロナやわたしの怠惰な性格によってすごく閉鎖的で暗いものだった。この映画はずっと雰囲気が落ち着いていて、夢を追いかけていても平穏な日常を送っていてもどこか物足りないような感じで、まるで現実のようだった。

ネタバレになってしまうが、この映画では、ずっと付き合っていたカップルは別れ、ナンパみたいに声をけてきた人と結婚する。人生ってそんなもんだよな〜と思う。「いちばん好きな人とは結婚できない」と聞いたことがある。ほんとうにそうなのかも知れない。

でも、流れに身を任せ、そのとき自分のことを愛してくれる人、そのときこの人と生活を送りたいと思える人と結婚できることはすばらしい。
静かにわたしの希望になってくれる映画。

こちらあみ子

森井勇佑

『こちらあみ子』はいちばん思い入れがあると言っていい。大好きで、何度も観た映画だ。

作中であみ子が発達障害とは言われないが、きっとあみ子には何らかの発達障害があるのだと思う。家族ともうまく関われなくて、あみ子は家族と離れた場所で生活することになる。
この作品をいっしょに観ていたわたしの父は、この作品はかわいそうで観ていられないと言った。父はすごく優しくて、そう思うのもわかる。
でもわたしはあみ子がかわいそうだとは思わなかった。あみ子にはお気に入りのおもちゃと、いつも口ずさんでいる歌と、他人とはうまく関われないけど自分とは上手く関わっていく力がある。お気に入りのおもちゃを持って海を見に行き、船に乗っているお化けを思い浮かべて1日をはじめる。あみ子は素敵人生を歩んでいると思う。

それだけでは生きていけないと思うが、それを何とかするのは現実の社会の話で、これはあくまで映画である。
素敵な感性をもつあみ子に、映画の中でだけでも「あなたは素敵だよ、そのまま育ってほしいよ」と伝えたい。

『こちらあみ子』も原作の小説を読んだ。今村夏子は大好きな作家のひとりだ。今後も今村夏子の作品が映像化したときは、積極的に観ようと思う。

もっともっと挙げられるが、思った以上に長くなるのでここまでとする。
映画は現実と続いているが、現実に帰って来なくていいものだと思う。映画の中では、宇宙人が地球を侵略しようが、そのまま地球を破壊してしまおうが、すべて自由なのだ。それが映画のロマンだ。

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