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わからないことは人に聞く

 (繰り返しますが私の書くことはすべてフィクションですよ。)」

 人生のいつごろからかはわかりません。妻によれば、昔からではないということですが、私は、問題解決法として、かなり強力な手段を持っています。それは「わからないことは人に聞く」です。

 2か月ほど前、実家に滞在したときの2つの例を挙げますね。私の父はある名門大学の名誉教授(「名誉教授」とは「元教授」の意)で母はピアノ教師。ふたりとも「健全な常識人」です。いっぽうで私は46歳にして1年以上休職中の、ダメ人間で非常識人です。しかし、その父や母よりも私のほうが「上だった」ことがあります。

 ひとつは、ある駅から出るバスで、ある停留所へ来るバスの時刻を調べるということについてです。バス会社は2社あります。また、「どこそこ行き」に乗ったからとて、その停留所に来るかどうか、わからないほど、バスの路線は錯綜しています。私は父に「調べておいて!」と頼み(この時点で人を頼っていますが)、自分は自分で調べました。父は、何時間もかけて検索し、どうやらだいたいの時刻を調べたようです。私は父よりずっと短時間で、ずっと正確に調べることができました。それは「バス会社に電話して聞く」ことです!

 2社とも「少々お待ちください」と言ったうえで、少し時間をかけた上で、じつに正確に、抜けもれなく教えてくれました。その駅には「西口出発」と「東口出発」の2種類があるのですが、両方とも完璧に教えてもらいました。駅からその停留所までの所要時間も。私は内心、思いました。あの「立派な父」に勝った!

 もうひとつ、実家滞在中に、「大切な木彫りの置物を郵送する」というミッションがありました。父は、たて、よこ、たかさを巻き尺で測り、母はそれの入るゆうパックの箱をしきりに検索していました。さっぱりらちがあかないのを見た私は、郵便局に電話をして、これこれこういうものを送りたいのですが、と言いました。郵便局のひとは、エアパッキン(いわゆる「ぷちぷち」)でぐるぐるまきにしてください、と言いました。そこで、エアパッキンでぐるぐるまきにすることに決まり、父の運転する車で、エアパッキンを買いに行きました(私は障害特性上、車の運転ができません)。

 まず、百円均一に行きました。しかし、どれを買えばよいのかわかりません。また私は店員さんに聞きました。店員さんは「ホームセンターへ行ってください。私はかつてホームセンターの店員でした。ホームセンターの正社員は定期的に研修を受けていて、わかるはずです」とおっしゃいました。そこで、ホームセンターに行きました。いちいち書いていないですけど、父が測った「たて、よこ、たかさ」も役に立っています。そのホームセンターの店員さんにも相談し、「これ」という寸法のエアパッキンを買いました。うち、5メートルにするか10メートルにするか、は、私が決断し、後者にしました。そんなに大切なものを送るのなら、ここで何百円かケチっても意味ないと判断したからです。帰宅してその置物を梱包。これも私ひとりではとてもできず、父に協力してもらいました。また父の運転で郵便局に行き、郵送。私が用紙に「置物」と書いたら郵便局員さんがわざわざ「木彫り」と私に書かせました。それでその大切な置物は送られました。傷ひとつなく送られました。

 というわけで、いろいろな人に助けられて、私の作戦はうまくいきました。少なくともあの父と母だけでは、とてもこうはいかなかったでしょう。スマホ地図が苦手な私は、道も人に聞きます。不親切な人、忙しい人、それ以上に道を知らない人によく当たりますが(相手が若い女性だったりすると警戒されることも)、それでも、いずれ親切な人に教えてもらえます。このあいだまったく知らない土地に行ってコロナワクチンを打ってもらったときの帰りのバス停を教えてくれた人はもうむちゃくちゃに親切でした。そもそもある地で散歩中に迷子になって、道を聞いたらその人はわからず、ますます迷子になっているうちに「福祉」という看板が目に入って思わず飛び込んだら、そこは「社協」で、私は飛び込みの人なのにすごく助かった!

 とにかく、とてもいい方法があります。「わからないことは人に聞く」!!!

(以上、すべてフィクションでした!)

(※業務連絡です。松谷信司さんへ。ちょっと長い記事かもしれませんね。いいたいことはひとつなのですが…。もしご採用くださる場合は、適当に最後のほうをけずってくださいね~)

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