発表会を聴くたのしみ

　「発表会」「おさらい会」というものに出たことのあるかたは、どれくらいおられるでしょうか。ピアノでもヴァイオリンでも、どんな楽器の発表会でも。あるいは声楽でも、バレエでも。発表会は、自分が出るのはたいへんですが、自分の出ない発表会を聴くぶんには、極めておもしろいですよ。発表会を聴くほどおもしろいものはないかもしれないくらいです。

　ちょうど「NHKのど自慢」を見るのと同じ感覚です。ものすごくうまい人が出て来て、感心することもあれば、おどろくほどへたな人が出て来て笑えることもあり、若者（というか幼い子ども）からお年寄りまで出て来て、しかし、みんなこの日のためにがんばって練習してきたのであり、もう、笑いあり感動ありハプニングありで、とにかく楽しいです。フルートの発表会と言っていても、ピアノやヴァイオリンやユーフォニアムが出てくることもありますし。私の出た発表会で、高木綾子さんが出たこともあり、「将来の有名演奏家の卵の、若いころの演奏」が聴けることもあります。

　ついでにおもしろいのがアマチュア・オーケストラの演奏会で、これもみんな真剣に練習してきていますし、アマチュアの世界には、ときどき、びっくりするような個性的な指揮者がいて（末永隆一さんとか。まるでチェリビダッケみたい）、まずプロでは聴けないような個性的な名演に立ち会えることもあります。さらに、協奏曲をやる場合、かなり著名なソリストが来ることがあり、おどろくほどの有名ソリストが、かなり安い値段で聴けてしまうという特典もあります。私は、ホルンのザイフェルト、ヴィオラのクリスト、同じくヴィオラの店村眞積さん、フルートの中野富雄さんなど、たくさん聴きました。さらにおもしろいのが世界的演奏家の公開レッスンが格安で聴ける場合で、私はチェロのシュタルケルの公開レッスンを500円で聴いたことがあります。話が脱線しましたが、「発表会を聴きに行く」って、なかなかたのしいですよ！無料ですしね！以上です！