東大入試雑感

 東大の入試について、私の雑感を、書かせていただきたいと思います。

 東大って、教授は、1300人くらい、いると思います。私の知る限り(学科にもよるかもしれませんが)東大って准教授は教授と同じ扱いでしたので、教授と准教授をあわせて、3000人くらい、いるのかもしれません。もし、東大の先生がたが、年に1問、入試を作ったら、1年に3000問、できてしまいます。そんなにたくさん出ないことは明らかです。つまり、東大の入試は、非常に賢い東大の先生が、「一生に何問か」のペースで、作っていることになります。それは、いい問題ばかりになりますよね。予備校の先生がつくる「東大レヴェル模試」なんて、チャチなものとは、比較になりませんよね。

 多くのかたは、東大生って賢いと思っていると思います。東大生自身も、なりたての学生の場合、自分が賢いと思っているケースも見当たります。しかし、東大の先生は、東大生と比較にならないくらい、賢いです。当たり前なんですけど、この当たり前を忘れている人が多い気がして、書かせていただきました。東大の先生の賢さは、大学院くらいまで行くと、身に染みて感じます。

 しかも、その気になればですけど、その気になれば、文学部の先生でも、いい数学の入試問題を作れることを忘れてはいけません。逆もそうで、その気になれば、医学部の先生が、いい社会の問題を作れることも忘れてはいけません。

 (実際、私は、工学部の先生が、英語の入試問題を作っていたのを知っています。)

 入試というのは、返却されません。どのように採点されているか、わかりません。以下は私の想像です。いまはよく知りませんが、私が受けたころは、数学は、6問でした。もしかして、〇(よくできてる)、△(まあまあ)、×(ダメ)の、三段階くらいで採点されている気もするのです。細かい部分点なんかじゃなくて。採点者の主観で採点されている気もするのです。採点って、最も人間的な営みで、答案を書くのも人間、採点するのも人間で、人間の頭と頭のぶつかりあいです。私も教師の時代、もしテストを返却しないのでよいならば、よほど実力を反映しただいぶ正確な採点ができるのになあ、と思っていました。さきほど、模試の問題のチャチさについて書きましたが、最も模試と入試で違うのは、「採点」ではないかと思います。いくら問題は似せることができても、採点は真似できない気がします。

 私自身の、数学の入試の経験を書きます。上述のように、6問でした。過去問を解いてみると、私は、最低でも3問は完答(完璧な答え)していました。多い年は、5問、完答しました。その皮算用で、本番の入試に臨んだら、なんと、本番だけ、1問も完答できませんでした。0問完答だったのです。さすがにその日はショックでしたが、よく気を取り直して、翌日の理科と英語の試験を受けたと思います。それでも、受かりました。たしか、東大の数学は、計算用紙も回収していたと思います。解答用紙に、あまりうまいことが書けていなくても、計算用紙に、いいことが書けていたら、評価してくれるのです。私のことを、わかってくれる先生が、採点してくださったのです。

 東大が、「人間力」の入試をやらないのは、賢いと思います。東大は、「人間力が欠如していても、ほんとうに賢い学生を取りたい」のだと思います。

 とにかく、東大にはすごくたくさんの先生がいること、その先生がたは、すごく賢いこと、を忘れないでいただきたいと思います。

 本日は以上です。お読みくださり、ありがとうございました。

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