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努力不足

 すみません。また極論です。
 NHKのEテレで放送されている「おかあさんといっしょ」の人形劇、少なくともうちの子供が見ていたころは、「ポコポッテイト」と言いました。いまは「ポコポッテイト」じゃないでしょう。
 「ムテキチ」「ミーニャ」「メーコブ」という3人(3匹?)の登場人物が出てきます。ねずみと猫と羊でしょうか。
 このうち、メーコブは、「ちょっと変わった子」というキャラ設定です。メーコブは、ちょっと変わっているので、しょっちゅう、ムテキチやミーニャから、からかわれ続けています。それでもめげないんですけどね。
 しかし、これって、教育テレビで流していい内容でしょうか?
 すなわち、「ちょっと変わった子は、からかいの対象にしてよい」というメッセージを、「おかあさんといっしょ」という番組は、毎回のように発しているのです。あるいは(「ちょっと変わった子」の側の視点から見れば)「ちょっと変わった子は、周囲から奇異の目で見られたり、からかわれたりすることはやむを得ない」というメッセージを、NHKは、毎日、発信しているのです。
 これって、いいことですか?
 (しかも、こういうことを指摘している内容の投書なども見たことはないです。みんな、「ちょっと変わった子は、からかいの対象になって当然である」と思っているのかなあ?)
 もうひとつ気になることがあります。
 ムテキチは、デッキブラシを持って、「デッキ、デッキ、デッキブラシ!できると思えば、できるんだ!」と、しょっちゅう歌っています。
 「できると思えばできるんだ」
 それ自体は、子供に勇気を与えるせりふなのかもしれません。
 しかし同時にこの言葉は、やってもやってもできない、努力しても努力してもできない、という子供にとっては、はかり知れない負担になる言葉です。
 「できると思えばできるんだ」
 この言葉を、はかりしれない重荷ととらえる子供は、決して少なくないと思います。
 周囲の大人も、ムテキチのこの言葉を引用して、「できない子」を責めますよね、「できると思えばできるんだ!」と。「おまえができないのは、努力不足だ!」と。
 まとめますと、NHKは、「ちょっと変な子は、からかってよいというメッセージを毎日、発信している」ということと、ムテキチの「できると思えばできるんだ」という歌は、「できない子」に、おのれは努力不足だ、という観念を強烈に植え付けている、という2点が、きょうの私の極論の主張です。
 以上です。お読みくださり、ありがとうございました。

 2020年8月7日の付記です。これは数年前の原稿です。でも、基本的には変わっていないと思います。その子どもももう小学校高学年になりましたが、学校教育のありかたも、われわれが子どものころから、変わっていませんもの。「右向け右」で、左を向いているやつは怒られるという。

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