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「山口ちゆき」さん。不登校・発達障害・PTAなどの経験と知識を生かすライター。

クラウドワークス(以下、CW)ライターコースのメンターとして受講生に向き合いながら、ライター活動を続ける 山口ちゆき さんの経歴は異彩を放っています。

子どもの頃から本の虫で、中高生の時は日本のSF小説を手あたり次第読み、作家を助ける編集者になりたいと思ったほど。
高校生の時にDNAの複製の美しさに魅了され、その勉強をしたいと筑波大学、大学院で生物学を学びました。卒業後は農業系法人での研究開発の仕事に就くも、会社の都合でやむなく退職。

塾講師や研究所での研究補助の仕事に就き、その後結婚、出産、子育てに専念した主婦の時期を経て、大学スタッフに。
しかし、お子さんが不登校になり、後に発達障害が判明します。「大学職員の代わりはいても母親の代わりはいない」とメインを「母親業」に。

その後は転機を好機に、ライターやライターコースのメンターとして歩み出す機会を獲得し、現在に至っています。


今回は 山口ちゆき さんに、ライターとしての想いをうかがいました。


人の育成にかかわりながらライターに

――人生のターニングポイントが何度もあり、その中でも最近の一番大きな転機はお子さんの「不登校と発達障害」だったといいます。

そのような状況から、なぜライターになったのでしょうか?

「母親業」を選んでから半年ほどは家にいました。
たまたま地元の住宅情報誌でライターの募集があり応募、そこで採用されました。
しかし、広島の豪雨があり、かけだしライターはお呼びでないという状態に。仕事が全部消えてしまったんです。2018年のことでした。

その間にライティングの勉強をしたいと思っていたら、ちょうどCWの在宅ワーク実践講座に参加する機会がありました。

それが、ライターとしての活動の始まりです。

――ライターという仕事を選んだのはなぜですか?

書くことが好きだったので、それを仕事にしたいと思いました。

中高生の時は、先生の目を盗んで友達と授業中に小説を書いていたし、大学の時はお芝居の脚本を書きました。大学職員の時は学部の取り組みを紹介する記事を書いています。

だから「書く」という仕事はできると思ったのです。

得意な「書く」で一躍話題に!

――お子さんが小学生の時に、PTA役員として改革に取り組んだことをnoteに書いています(「PTAがヘンだと思ったので変えてみた話」)。それがおよそ36,500PV、1,400の「スキ」を集めて話題となりました(2021年11月現在)。
ここまで読まれる記事を書くのは簡単ではありません。

この記事が注目されたのはなぜだと思いますか?

PTAで苦労する人は多いと思います。ですから、この記事は多くの人にとって身近なものだったと感じます。PTAをどうにかしたいと思う人だけでなく「変えられないかな?」と思っている人もこの記事を見てくださっているのではないでしょうか。

私は多くの組織の形を見てきたから、問題点を見つけやすかった。
自分のベースが研究なので、データをもとに仮説を立て、実験・検証するのは得意。アンケートを取って問題点をあぶりだし「こうしたらみんながハッピーになるかな」と考えてやっていきました。

PTAを変える過程で衝突もありました。
でも、ハッピーなゴールが設定できていたし、全体的にみんなの負担が減る方向にシフトチェンジしようとしたから受け入れられたと思います。

非論理的な面があるPTAに、論理で切り込んでいけたのも共感を持ってもらえた一因なのかもしれません。みんながハッピーな方がいいに決まっています。このnoteは、全国のしんどいPTAがハッピーに変わっていけたらと思って書きました。


愛のあふれる厳しさ

――山口さんは、与えられた場でできることを精一杯してきた印象があり、その姿勢は一貫しています。そして、所属するライターゼミの仲間や、ライターコース受講生のフィードバックに厳しいコメントを残すこともありました。

人に厳しいコメントを出すのは怖くありませんか?

今まで振り返ると、私に厳しい事を言ってくれた人の言葉はずっと刺さっていて、それが支えになっています。ライティングを始めてからも、厳しいフィードバックをいただいたから気づいたことがいっぱいあります。
言ってもらえる機会は多くありませんが、そんなチャンスは貴重なんですよ。

ライターゼミはみんな自分の成長のために参加しています。このゼミが本当の意味でみんなの成長する場になるには、ぬるま湯じゃない言葉、仲間じゃないと言えない言葉が必要だと思ったんです。最初に厳しいことを言うのは、そして言えるのは「私ぐらいしかおらんのかな」と。

人生いろいろあったので、自分に返ってくる影響はそんなに怖くありません。しかし、その人にどんな影響を及ぼすか、ゼミ自体にどんな影響を及ぼすかを考えると、それは怖かったです。でも、必要だと思った時は言いました。

結果的にあっさり受け入れてもらえてドキドキしながらホッとしましたが、受け入れられないのであればゼミを抜けようと思っていました。

逆にゼミの中に、自分が気づかなかったことを厳しい言葉で気づかせてくれた方がいました。その時、自分がそれまでやってきたことは間違いではなかったと思いました。嬉しかったし、思っていたゼミになったと感じましたね。

ライターコースの受講生に対しては、課題の出来や日頃の日報、どんな思いで参加しているかなどを見ています。
そして伸びたいと思っている人には厳しめのことを言うし、気持ちが上がっていない人には「モチベーションを保ってもらうことが大事」と考えて対応しています。

ライターとして、今までの経験を生かす

――普段、ライターとしてどんなことを意識していますか?

自分が読者ならどんな記事が読みたいかを一番に考えます。

アドラー心理学の考え方によれば、人間の行動にはすべて目的があるんです。
学校に行かないことにも、PTAの前任者が文句を言うのにも、それぞれに目的がある。だから、その目的を見ていくと物事は単純化できると思います。

そして、記事を書く時には読者の目的が何なのかを考えます
読者は悩みを解決するために記事を読みます。だから、その解決法がわかるように書けば、読みやすい記事になると思って書いています。


――書くときにはどんなことを意識していますか?

今できる最高の記事に仕上げるよう、意識しています。

あとは、頂いたご縁を大事に仕事をしたいですね。
過去にお世話になった方から直接仕事の話があれば、どんなジャンルでもできる限りお受けしています。

頂いたご縁はできる限りお返ししようと思っています。


――今後はどんなことを目指していきたいですか?

将来的には、不登校や発達障害のお子さんのことで悩む保護者の方のヒントになる記事を書きたいです。

また、一般にあまり知られていない「共感覚」の話も。

「共感覚」の話や、学校に行けない理由などは一般にあまり理解されていないので、それを伝える記事を書いていきたいです。

あとはPTA問題
そしてこれらの問題にかかわる資格があれば取りたいですし、発信力をつけたいですね。

仕事、育児、読書など、これまでの豊富な経験すべてをライターとして生かしてきたという山口さん。今後もアップデートを続ける山口さんの活躍が楽しみです。

山口さん、ありがとうございました。

山口さんへのお仕事依頼は→こちら



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この記事はライターゼミの『インタビューライター養成プロジェクト』にて書いたものです。このプロジェクトでは、ゼミ生が相互にインタビューを行い、数人が同一音源を基に記事化しました。

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