[Q&A]水洗い洗車してボディが濡れた状態でマイティ3を施工しても良いでしょうか?
僕が採用している乾式(水に濡れていない状態で)施工ではなく、
湿式(水に濡れた状態で)施工をしたい
というお問い合わせです。
こういった狙いからのご検討、そしてお問い合わせなのかなと解釈しました。
出来る出来ないだけを言ったら「出来ます」。
ただし僕は絶対にやりません。
なぜそのように考えるのか、詳しく解説していきます。
マイティ3を施工する目的
マイティ3を施工するのは、
汚れを落とし切ること
浅いキズを隠すこと
次の洗車を楽にする撥水の保護膜を与えること
美観維持していく上でこの中で一番大事なことは、
「汚れを落とし切ること」
ですが、水に濡れていると難しくなってしまいます。
水に濡れていることでのメリット
水に濡れていると
マイティ3は非常に伸びが良くなります。
施工性という意味では非常に大きなメリットです。
一般に普及している、水を媒介にして塗り伸ばすワックスや簡易コーティング剤にも同じことが言えます。
ただこれは同時にデメリットを内包している特徴でもあります。
水に濡れていることでのデメリット
濡れている状態での施工には、デメリットがいくつかあります。
水が乾く前に施工し切らないといけない焦りが出る
目に見えにくい汚れ(水のミネラル分等)がどうしても残る
水で濡れていると目に見えやすい汚れ(固着した砂ぼこり等)が見えにくくなる
汚れが落とせているかどうかの判断がしにくい
さきほどメリットでご紹介した「伸びが良くなり施工性が高まる」というのは裏を返すとデメリットもあるということです。それは、
マイティ3を塗っているのか、水を塗っているのか、
感触だけでは違いが分かりにくい
というものです。
スイスイ伸びるからという感触に任せて塗っていると、水を塗り伸ばしていただけだったとなりかねません。
もし、もう一回水洗いすべき状態だったと気付かずマイティ3を塗ってしまった場合について
つまり砂ぼこり等が固着していたりして汚れが残っていることに気付かずマイティ3を施工してしまった場合、
洗車キズを増やすリスクとなります。
砂ぼこり等の異物が残っていれば、やすりを掛けているようなものだからです。
ただし、洗車キズを気にしない人は無視して構わないと思います。
それでもほとんどの人が満足するレベルの美観維持にはなるからです。
それが僕が提唱する美観維持梅レベルとなります。
ようは洗車キズよりも染みにしてしまう方が美観を損ねるからです。
また研磨でさえも取り返しがつかなくなりやすいからとも言えます。
もし、マイティ3で汚れを落とし切れていなかった場合
もし汚れが残っていれば、それは「染み」に進行するリスクそのものです。
それは目に見えやすい汚れ(砂ぼこり等)よりも、むしろ目に見えにくい汚れ(水のミネラル分等)の方がよっぽど質が悪いです。
水を使って施工するというのは先ほどデメリットでもご紹介した通り、オブラートに包んで言えば
汚れが落とせているかどうかの判断がしにくい
ということですが、ぶっちゃけ
汚れを落とし切るまでには至らない
つまり美観維持が非常にやりにくくなるということです。
正直、美観維持は早々に損なわれ、ぱっと見ですらツヤ感が見劣りする状態になるということです。
新車時から簡易コーティング剤で美観維持してきたが2年経過した現時点で新車当時のようなツヤ感のある仕上がりにならなくなってきた、このようなお問い合わせが来るくらいです。
こうなる理由は「汚れを落とし切っていないから」です。
水に濡れると粗を隠してしまう事例
非常に分かりやすい身近な事例は、「お風呂の鏡」です。
シャンプーやボディソープで汚れているということもあるかとは思いますが、水のミネラル分がくっついて斑点状に白くなっています。
俗に言う「ウロコ」です。
水に濡れるとぱっと見がキレイに見えてしまいます。
この現象は美観維持する上で足かせになります。
砂ぼこりなどの汚れをふやかして落とす上では便利な水ですが、汚れを落とし切ろうと思った時には邪魔な存在となります。
粗を隠してしまうということは、汚れが残っていても見えにくくなってしまうからです。
以上の考え方に対する反論①
というものがありますが、どんなに丁寧に拭こうが汚れは必ず残ります。
それが目に見えにくい汚れ(水のミネラル分)です。
それほどまでに水はクルマを汚します。
ここで言う水とは、水道水や井戸水を指します。
雨はそこまで神経質にならなくても良いです。(汚れが混じった場合は除く)
以上の考え方に対する反論②
こう仰る方もいますが、汚れが落とし切れておりかつボディに残っている水滴が純水であるというところに純水のメリットがあると僕は考えますが、そのようになっているんでしょうか?
そもそも日本の水道水は「軟水」です。
軟水ということはミネラル分は非常に少ないということです。
少ないにもかかわらずその僅かな残留物が悪さをしてきます。
だからこそ「汚れを落とし切らなければならない」と考えます。
そして「汚れが落とし切れていること」をどうやって確認していますか?
その確認が甘いと、このYOUTUBE動画やnote記事で紹介しているように、
ぱっと見ではキレイに見えても実はヤバい状態
に足を突っ込むことになります。
この状態は一過性であり、近いうちに確実な染みに進行します。
美観維持を目指すなら最低限「染み」にだけはしてはいけません。
美観維持における辻褄合わせ
そうした汚れを酸性ケミカルを使って落としたり、研磨して落としたり、色々なつじつま合わせはあります。
しかし、美観維持の観点で言えば
使わないに越したことはない
はずです。
なぜなら確実に余計なダメージを負うからです。
美観維持とは、緩やかな劣化に留めることと定義しています。
だから僕は乾式施工を採用しているんです。
こう思われてしまうことは「心外」であるという話し
このように思われるのは心外です。
僕はその「コスパ良く施工できる方法」を禁止している訳ではありません。
美観維持する上でのリスクがあり、その理由を伝えているに過ぎません。
最後に
以上の点を踏まえてやるやらないは各人の判断となります。
美観維持とは「劣化を緩やかにすること」であり、そのためには洗車によって「汚れを落とし切ること」が第一の目的となります。
何もなければ(緩やかな劣化以上のことは)何も起きない。
何かが残っているから何かが起きる。
というシンプルな理屈からそう考えます。
これを実践することが染み一つ付けない美観維持に繋がります。
そして出来れば「簡単に汚れが落とせる内にさっさと洗車すること」が洗車キズを増やさない様々なテクニックを駆使する上で望ましいとなります。
世の中には様々な洗車方法、洗車用品があります。
実際に手に取ってみたものもありますし、他の人がやっているところを見学させてもらったこともあります。
洗車のプロだけでなく研磨や硬化型コーティングのプロの方との意見交換も随分としてきました。
そんな試行錯誤をしてきて至った結論は、
どのような洗車方法であろうと
美観維持したかったら
やるべきことは同じ
ということです。
そして僕が採用しているバケツ一杯の水洗い洗車+マイティ3という洗車方法でも、水洗い直後の一番洗車キズが露見するタイミングで仮に真夏の太陽光が当たっても、一切洗車キズが見えないくらいの美観維持は出来ます。
これは2022年10月の走行距離約9000kmで約30回洗車した現在でも同じです。(飛び石とかは避けようがありませんが)
何を使うかも大事ですが、それをどう使うかも大事
美観維持の仕事は保護膜の仕事ではなく人間の仕事
これを脳裏に刻み込んでください。
これが美観維持の本質だと僕は断言します。
参考になれば幸いです。
ご覧いただきありがとうございました。サポートしてくれた方のメッセージ読ませてもらっています。洗車のプロである僕が「何を見ていて」「それをどう判断し」「行動に移すのか」、YOUTUBE動画では解説し切れない頭の中のことをアウトプットすることで皆さんの参考になればウレシイです。