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“Butter”への邪推。そしてミン・ユンギ風に訳してみた。

忘れもしない、2021年3月12日(金曜日)。
その日に「BTS」の沼に落ちた新規ペンです。

「BTS」を知った時には、すでに「Dynamite」でグラミー賞にノミネートされていた状態だったので、「新曲」の発表を迎えたのが今回が初めてでした。
さらに、彼らのデビュー記念日の「6/13」に向けて「フェスタ(各種イベとやコンテンツの発表)」があるということを聞いていたので、5月に入ってからはなんだかふわふわした日々が続いておりました。

そうして迎えた新曲発表、、、。

5/21(金) “Butter”リリース

“Butter”というメタファー(比喩、例え)からして、妖艶さ、セクシーさがある楽曲だと期待していたわけです。

5/2(日)のコンセプトクリップからティザー(一部先出し、予告)動画までで魅せてくれていた世界感も相まって、大人のBTS、なまめかしいBTSを勝手に想像しておりました。

しかし、5/21(金)。

想像も期待も、軽々と超えてまたもや「BTS」は別の顔をして私のところにやって来たのです。

オレたちイケてますが、何か?

Smooth Like Butter
バターのように滑らかに

「ジョングクさん」の一言目だけで、もうしびれました。

そのままの訳であれば額面通り「バターのように滑らかに」です。しかし、ただ事ではありません。

オレたちは、そんなふうに
うまく心の中に忍び込んでしまってるのさ
Smooth Like Butter 
Breakin’ into your heart like that

「BTS」の話題=センセーションには、「アジア人として」「K-POPとして」などと必ず枕詞がつけられ、まだまだ珍しがられる存在、、、感じ方によっては、下駄をはかされている、卑下されていると感じることもあるでしょう。

そんな彼らが、世界中に「オレたちかなりイケてて、気づかれないうちに、ほらもう、“こんなふうに心の中に滑りんでいるんだけど!」と歌っていたのです。

すでに当たり前に、目の前に、世界中に、「BTS」がいるだろ?と。

例えば「アジア人初の快挙」「K-POPとしてはめずらしく全編英語」などと、“既存の定義からは外れた存在”であるかのように“異質”として扱っている大義(エスタブリッシュメント階層=場合によっては差別)がある一方、日常の生活では「BTS」でもうあふれかえっているはずなのです。

ラジオから、YouTubeから、SNSから、ニュース映像から、TVCMから、お店のBGMから、、、。

そんなふう忍び込んでしまってるのさ
Breakin’ into your heart like that

「そんなふうに」が差すのは、大義や階層(差別)があろうが関係ない、ということ。
すでに、「覆面をした泥棒のように」見た目には判断つかなくても、「予測できないハプニングのように」望む望まないにかかわらず、「BTS」はここにいますよ、と。

つまり彼らは、(ブラインドで表紙/クレジットが隠されていても)純粋にいい音楽・パフォーマンスは国境も言語も超え、自然に人の心を動かすものさ!と歌っているのです。


「“Butter”というのは、何かのメタファーに違いない」

聞く耳と受け取る脳を、一旦そうセットしてしまうと、もはや「深い意味はない」「ただの夏向きのポップソングだ」と繰り返されても、そう単純に聞き流せるわけがありません。

ここは一度、邪推に邪推を重ね、思いっきり“Butter”の世界に浸ってみよう!

全部ママのおかげさ!

冒頭の、JK(ジョングク)の、「こうやって、うまく忍び込んだんだ!」というパフォーマンスのあとに続いたのがキム・テヒョンパート。

彼の皮肉とチャーミングさがさく裂です。

最高だろ?でもこれ全部ママのおかげなんだ。
Cool shade stunner
Yeah I owe it all to my mother

“世界で最高な顔”に選ばれる彼が「そうさ、これ全部ママにもらったものだんだ」と軽口をたたく。
ここは、キム・テヒョンが歌ってこそのパートです。

ルックス、ファッション、パフォーマンス、発言、、いろいろなところで注目を浴びるキム・テヒョンが「全部ママのおかげさ」と余裕風を吹かせ、かつ出自にプライドを表す、、、。

カバンに詰め切れないほどのトロフィー、スタジアムライブツアー、ビルボード連続No1、グラミー賞ノミネート、、、それもこれもオレたちがやってのけてる、、、オレたち、韓国出身でアジア人でアイドルだけど、何か?と。


いや、すでにここまでで「気が狂った解釈」ですよね(はい自覚あり!)。

「狂った」と言うと、アレなのだけれど。
ここは「BTS」の真骨頂、「彼ら7人の物語×言葉遊び(ラップ)」とご容赦いただき、しばしお付き合いを。

冷静に言ってスーパースターだよね!

最高にイケてるのも、世界中でセンセーショナルを巻き起こしてるのも、ぜんぶ「オンマー(ママ)のおかげさ!」と、ここまでの努力や受けてきた屈辱的な待遇も、さもなかったことのようにさらりと受け流したキム・テヒョンのあとは、我らが「ヒョン」。ジンヒョンパートです。

どう考えても
オレはおまえの心をまるごと溶かせる
オレはすでに輝くスーパースターだから
Oh when I look in the mirror
I’ll melt your heart into 2
I got that superstar glow so


「ワールドワイドハンサム!」と自己紹介で自ら言うジンヒョンが「鏡の中を見ると、、、」と歌った瞬間、ARMYならアレを思い起こしましたよね?

鏡とじんひょn

そう、伝説のV Live(「BTS」メンバーによる生配信コンテンツ)の一つ「ハンサムを自画自賛するジンヒョン」です。

ジンヒョンは、朝起きて鏡を見るたびに「ああ、こんなにかっこよくてどうするんだ」と思うそうなんです(まあ、否定はできません)。

(それはさておき)そんなジンヒョンが歌う「鏡の中を見ると、、、」ですが、英語の慣用表現では「客観的に」とか「冷静に見て」「自分を振り返ってみて」などの意味があるんです。

とすると、この「合理的」「現実的」な性格を持つジンヒョンにパート割りをしたところに意味を感じました(同パートの2回目はジミニが歌っています)。

(超現実思考のキム・ソクジン)

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また、
I’ll melt your heart into 2」の「2」と言えばジンヒョン!です。

(「Boy with Love」のキム・ソクジン)

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この、合理的で客観的に物事を見るジンヒョンが言う

オレはすでに輝くスーパースターだから
I got that superstar glow so

はい、間違いないですよね(自画自賛かよ!)。


さて次は、うちのミン・ユンギのパートです。

オレたちの方がまともなんだ!

飾るものは何も持っていないけどオレ自身こそがその飾りさ
No ice on my wrist I’m that nice guy

オレの手首は「ノーアイス」だけど、そんなオレは「ナイス」なヤツ。

「Ice」とはスラングでは「宝石(ダイヤモンド)」や「ドラッグ」(私でも知ってる)。そして「No ice」と「Nice」の言葉遊び。

ミン・ユンギ風に言えば「宝石は持ってない。オレこそが宝石さ」になるんじゃない?

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※参考|大邱で自慢することは無い。でも、オレが生まれたこと自体が大邱の自慢(Ma City)。

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オレはまともなんだ
あいつらとは違う、オレたちは変わってなんかない
どんなパーティに紛れ込んでもさまになる
Got that right body and that right mind
Rollin’ up to party got the right vibe Smooth like butter

「ノーアイス」に続いて、「健全な体と、健全な精神」を持っている、と言っている。この場合の「ノーアイス」は「ドラッグ」のことだろう

「(誰かたちとはちがって)ドラッグはやってない。あいかわず健全なままさ」。つまり「オレたちは変わっていない」ってことじゃない?

「ドラッグ」は、いうならば“成功したアーティストの姿(=セレブの遊び)”でもある。

つまりオレたちは、そんなセレブとは縁遠い。ドラッグも乱痴気もしないけど、でも、ちゃんと大きなイベントやレッドカーペットにはちゃんと空気を読んで立ち居振る舞いできるよ、と。

※参考|セレブな遊びならそっちでやってな。オレが行けばどこだってパーティー。オレたちは何もかわっていない(Airplane pt.2)。

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そして、ウリ・リーダー「RM」のパートへ。

ARMYと一緒なら無敵!

オレらのことを嫌いでも好きでも
初対面の時には おとなしくしているよ
Hate us love us
Fresh boy pull up and we lay low

英語で、ビルボードの記録も、なんならグラミー賞を取りに行こうとしている楽曲でこれです。

例え“ヘイト”でもスキでも、初対面の人には危害は加えない、おとなしくしている。僕たちは相手が誰であれ態度は変わらない、こっちは偏見も差別もしていない。嫌いでも好きでも、そちらのご自由にどうぞ!と。

裏をかえせば、好きでも嫌いでも、初対面の時くらいは礼儀正しくあるべきだろう?と相手に当てつけているともとらえられます。

きっと、これまでいろいろなところで受けたひどい扱い、または手のひらを返したような扱いも、、、彼らにとってはモチベーションの一つであったのだろうけれど、、、。

そして「RM」は続ける。

でも オレたちの後ろにはARMYがいる
声をあげるさ、さあ行こうぜ
Got ARMY right behind us when we say so Let's go

ヘイト=差別をする人でもファンであっても、どっちだって態度は変えない、いつだって低姿勢でいる(謙虚にいる)。でも、「BTS」には「ARMY」が後ろについてる。何かあったらいったるぜ!

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この「RM」のパートでは、ベースに「We are Bulletproof : the Eternal」(2020年)がサンプリングされている。

オレたちは7人だけだった だけど今は君がいる
We were only seven But we have you all now
オレたちは一緒で防弾だから
We are we are together bulletproof

(We are Bulletproof : the Eternal)

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「We are Bulletproof : the Eternal」では、デビュー後は不安や恐怖で怯えていた7人だったけれど、今は7人じゃない「ARMY」が一緒で防弾(=無敵)だと歌っている。

サンプリングしているということは「We are Bulletproof : the Eternal」の歌詞を重ねられる。

「BTS」と「ARMY」は一緒で防弾(=無敵) さあ進もう!
Got ARMY right behind us when we say so Let's go

Got ARMY Behind Us

さらに「Got ARMY right behind us」で思い浮かべるのは「Not Today」です。

一緒だと信じて 防弾と信じて
狙え!銃!発射!

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「Not Today」(2017年)では、「BTS」の7人が「防弾(シールド)」になって、一緒に打って出よう!と歌っていた。この時は、「防弾少年団(BTS)」がグループのコンセプトどおり「若者への社会的偏見や抑圧を防ぎ、自分たちの音楽を守り抜く」という姿勢を表していた、確かに。

2017年の「NotToday」では、「BTS」が「ARMY」を守っていた。
2020年の「We are Bulletproof : the Eternal」では、“一緒で防弾(無敵)”と歌った。
そして2021年「Butter」では、「BTS」の後ろには「ARMY」がいて、いつでも「BTS」の味方になってくれて、一緒に楽しもう!一緒に前に進もう!と声を上げている。

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「NotToday」「We are Bulletproof : the Eternal」を経て、「Butter」ではより前向きでポップな表現で「BTS」と「ARMY」の物語を直接的に語っている。何より出色なのは今回の「Butter」でははっきりと「ARMY」というワード(=存在)を楽曲の中に盛り込んでいるという点。

このコロナ禍にあって「ARMY」との距離を縮め、お互いに癒し、鼓舞する、、、。

Go To Grammyへののろし!

いよいよ2021年の「Go To Grammy」へののろしだ!間違いない。

片足をかけていた前回で、何より「BTS」は、「BTB」を応援して支えるスタッフや「ARMY」がいてこそ、なんだと思ったんだろう。
その隊列の先頭には「BTS」の7人が立っているのだけれど、その背後には一緒に困難に耐えて前向きに夢を追っている「ARMY」がいる、、、。

その全員に向かって「オレたちの後ろにはARMYがいる、声をあげるさ、さあ行こうぜ」と叫ぶ。

なによりウリ・リーダーの「Let's Go !」はアガる!!

そうだ、行くんけるんだ!どこへでも!!


ミン・ユンギを憑依させてして訳してみた。 

“Butter”

バターのように滑らかに
覆面をした泥棒のように
予測できないハプニングのように
忍び込むのさいつの間にか、おまえの心に
オレたちはもう当たり前に
いるんだ、おまえの目の前に

最高にイケてるオレたち
はいこれ、ぜんぶオンマーのおかげ
いつだって、オレたちは夏のように熱いぜ
おまえをこんなに情熱的にできるのはオレたちだけ
ゴメンな、この才能はうまれつき
どんなもんか、教えてやろうか

どう考えても
オレはおまえの心をまるごと溶かせる
メロメロにな
オレはすでに輝くスーパースターだから
おまえがいつもオレを見てるのは知ってる
な、そうだろ

オレのビートに合わせて右左にステップして
月にとどくほど高く上まで、このまま一緒に夢中になろうぜ
熱くなっているのが自分でもわかるだろ
言葉じゃ足りない? 見せてやろう
オレの鼓動を聞いて、ほら右左に動くんだ
わかったなら、さあやってごらん

バターのように滑らかに
おまえを引き寄せる
オレしかいないだろ
言葉は必要ないだろ
おまえがダメになっていることはバレバレだぜ

オレしかいないだろ
こんな泥棒みたいにおまえをさらえるのは
オレならできるんだ
こんな風におまえを夢中にさせるのが
わかるだろ

どう考えても
オレはおまえの心をまるごと溶かせる
メロメロにな
オレはすでに輝くスーパースターだから
おまえがいつもオレを見てるのは知ってる
な、そうだろ

オレのビートに合わせて
右左にステップして
月にとどくほど高く上まで、このまま一緒に夢中になろうぜ
熱くなっているのが自分でもわかるだろ
言葉じゃ足りない? 見せてやろう
オレの鼓動を聞いて、ほら右左に動くんだ
わかったなら、さあやってごらん

わかったなら、さあはじめようぜ
わかったなら、さあやってごらん

飾るものは何も持っていないけど
オレ自身こそがその飾りさ
それにふさわしく、オレはまともなんだ
あいつらとは違う
どんなパーティに紛れ込んでもさまになる
オレたちは何も変わっちゃいない
最初からイケてたんだ

オレらのことを好きでも嫌いでも 気にしない
でも、初対面の人には礼儀ただしくあるべきだろ
もし、そうでなければ
ベース音の合図が響きだしみんなじっとしてないさ
オレたちの後ろにはARMYがいる
オレたちは防弾(バンタン)で無敵
声をあげるさ、さあ行こうぜ

オレのビートに合わせて右左にステップして
月にとどくほど高く上まで、このまま一緒に夢中になろうぜ
熱くなっているのが自分でもわかるだろ
言葉じゃ足りない? 見せてやろう
オレの鼓動を聞いて、ほら右左に動くんだ
わかったなら、さあやってごらん

バターのように滑らかに
最高にイケてるオレたち
誰もオレたちを止められない
オレたちはオレたちのままさ

夏のように熱い
引き下がるなんてありえない
おまえはオレの女神
オレたちはおまえを夢中にさせる
オレたちがおまえを盛り上げてやる

熱く?
甘く?
イカしてる?
バター!
わかったなら、はじめよう


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