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イノベーター理論のお勉強

ここ最近、ゆるっとマーケティングのお勉強をしているんですが、”イノベーター理論”というのが度々登場します。調べている中で、何となく理解できたような気もするんですが、実例に当てはめたらどういうことになるのかな?ってな感じで頭の中でアレコレと考えていたら、何だかこんがらがってきたので、記事を書くことで頭ん中を整理してきたいと思います。

私がnoteで記事を書くのは、頭の中の考えを言語化してスッキリさせることが目的だったりします。

※注意
記事を書いてて気付いたんですが、私が想定している”商品”は、あくまで大衆向け商品(食べ物とか家電製品とかアニメとかゲームとか)であって、専門分野で使用されるようなものは全く想定せずに記事を書いてましたので、その点はご了承下さい。

イノベーター理論とは

イノベーター理論とは、商品を普及させる際、大衆を5つに分類して、それらの5つの層へ広がり方を表す時に用いられるマーケティング理論だそうです。5つの分類は下記に。
(説明は私なりにめっちゃ噛み砕いてます)

①イノベーター(2.5%):最先端商品に真っ先に触れたい人
②アーリーアダプター(13.5%):最先端の情報を常に取り入れている人
③アーリーマジョリティー(34%):流行に乗り遅れたくない人
④レイトマジョリティー(34%):大流行したら仕方なく商品を買う人
⑤ラガート(16%):新しいものがマジで嫌いな人

上記の分類を踏まえて、商品が超絶大ヒットしていく様子は、大体下記のような流れでしょうか。

①イノベーターが最先端商品を手に入れて「これは最高だね。時代を先取ってるし、絶対にこれがスタンダードになる!」と、俺が時代の最先端だと言わんばかりにレビューを各所で拡散する。
②その評判を耳にしたアーリーアダプターが商品を手に入れて「〇〇さんがYouTubeで取り上げてたけど、これは新時代の商品!コレは来るよ!」とTwitterで自慢気に投稿したり、職場で見せびらかせて、最先端を気取る。
③「流行に敏感な人の間でメッチャ流行ってる!」というネットニュースやワイドショーを一部のアーリーマジョリティーが見て、「私も欲しい!」と商品を手に入れ、SNSに感想や写真を投稿したり、友達や家族に自慢したりする。流行っている様子を見た他のアーリーマジョリティーも急いで買いに走る。
④別にそこまで欲しくなかったけど、周りに持ってない人の方が少なくなってくる状況になると流石に肩身が狭いので、「そろそろ買っておこうか…」とレイトマジョリティーが商品を手に入れる。
⑤それが無いと生活に困るレベルになってきて、「流石に買わないとどうしようもない…」とラガートがようやく重い腰を上げる。

多分こんな感じです。多分。

流れを書いてて思ったんだけど、ラガートが買うレベルって、生活に絶対に必要な”インフラ”と言っていいレベルの商品じゃないと買わない層なんでしょうね。例えば”インターネットを最後の最後に導入した層”でしょうか。インターネットは現在の普及率が90%くらいなので、ラガートに属する人達も手に取っているサービスです。もう今の時代はネットがないと、サービス申し込みとか就職するにも困ったりしますからね。それでも10%のラガートは、未だにネット無し生活を選んでいると。凄い。

もう普及しまくっていると思ってたスマホは、普及率はまだ77.6%という数値が出ているので、ラガートに届いていないということになります。ラガートは本当に頑固者。

そう考えたら、一般的な商品開発におけるマーケティングの際には、ラガートはある程度は無視してもいい層ということでしょう。逆に言えば、ラガートまで取り込んだら、都心に自社ビルが立ちますね。

キャズム理論とは

で、イノベーター理論の中(?)に、”キャズム理論”というものもあるそうで、それは”アーリーアダプター”と”アーリーマジョリティー”の間には”キャズム(隔絶・溝)”というメッチャ深い溝があって、そこを乗り越えるのが超絶的にムズいということです。その溝を乗り越えることを”キャズムを超える”と言って、キャズムを超えるか否かが一種の大ヒットの目安になっていると。

実例で言えば、タブレットは普及率が35%で、キャズムを超えられていないけど、スマホが71%でキャズムを超えられている、っていう感じです。相当世間で流行ってる感じが出せたら、アーリーマジョリティーが乗ってくるけど、その”流行っている”ってところまで持っていくのがムズいってことでしょうかね。まあ、本当に世の中に必要とされる商品じゃないと、世間には浸透していかないってことでしょう。現状タブレットも、スマホやパソコンがあれば絶対に必要なものではないですから。あったら便利だけど。

キャズムの正体

その上で、”アーリーアダプターとアーリーマジョリティーがキャズムによって隔てられちゃう原因”ってなんなの?ってことを考えた。

おさらいすると、アーリーアダプターは最先端の情報を常に取り入れている人で、アーリーマジョリティーは流行に乗り遅れたくない人。それを踏まえると、イノベーターとアーリーアダプターは”発信することに利益がある人達、または発信者になりたい人達”で、アーリーマジョリティー以降が”消費者側の人達”なんじゃないかと。

消費者側の方はわかりやすいと思いますが、発信者側の人達ってどういう人達なの?っていう例をあげてみます。

インフルエンサーやメディア関係者など情報を発信することを生業としている人達、または最先端商品を手に入れること自体をステータスとする人達がイノベーター。

誰かに自慢することを生き甲斐としている人や、いいねをたくさん貰いたくて仕方がないSNS中毒者達がアーリーアダプターに当たりそうです。ただ、手に入れたことを誰にも言わないけど、新しいものに常に触れていたいっていう人も一定数はいそうです。

上記のような人達は、商品が良いものかどうかを知る前に手に入れて、自分で判断したいところがあるので、ちょっとでも気になったら飛びついてきます。そして、そこからアーリーマジョリティー以降に商品を浸透していくかどうかは、商品に触れたアーリーアダプター達の評価次第なのでしょう。つまり”商品のクオリティ”が問われるタイミングが”キャズム”の正体だ!(多分)

タピオカミルクティーでイノベーター理論

最近までめっちゃ流行ってたタピオカミルクティーを例に、イノベーター理論とキャズム理論を掘り下げてみます。

「代官山のタピオカミルクティーがインスタ女子の間で流行ってる!」と聞いて「え!なにそれ!?知らない!飲んでみたい!」と反射的に思う人がいます。また「よくわかんないし、わざわざ飲みたいとは思わない…」と反射的に思う人もいます。その”知らないから飲みたい層”と”よくわかんないから飲みたくはない層”の距離がキャズムなんじゃないかと。

このキャズムはどう埋まっていったんでしょうか。時系列で追ってみたいと思います。

スタバのキャラメルフラペチーノを撮ることにステータスを感じなくなったどっかのインスタグラマーが、タピオカミルクティーを発見してパシャリ。それがトップインフルエンサー女子(イノベーター)の目に止まってキメ顔でパシャリ。流行に超敏感な人達に「おいしそう!」と思われる。
そんな投稿に量産型インスタ女子(アーリーアダプター)が反応して、我先にとタピオカミルクティー屋に殺到してパシャリパシャリとタピオカミルクティー越しにキメ顔を撮ってインスタにアップ。「これはボロい商売になるかも」と気付いた一部の勘のいい商売人達がタピオカ屋さんを若者の街にオープンさせていく。
タピオカミルクティーがインスタでバズりだすと、自称イケてる層(アーリーマジョリティー)が「私も!俺も!」とタピオカミルクティーを買いに走り始める。「俺らも続け!」とばかりに商売人達が所構わず次々とタピオカ屋さんをオープン。コンビニでの販売も始まる。
「タピオカミルクティー飲んだことある?」という会話が街中に溢れ、「そんなにみんなが美味しいっていうなら、近くにお店が出来たらしいから買い物ついでに飲んでみようか…」と一般購入層(レイトマジョリティ)も手に取り始める。「甘い飲み物嫌いだし、ブツブツのブニョブニョがキモいから飲みたくない…」という層は買わない。
「そんな気色悪いもんを飲んでるヤツは、情報化社会に流される哀れな愚民共だ!」とブラックコーシーをすする頑固者(ラガート)がTwitterで吠える。テレビはNHKニュースしか見ないおじいちゃんはそもそも知らない。

そんな流れじゃないかと思う。まあ、タピオカミルクティーが大ヒットした理由は、その”キャッチーな見た目がSNS映えして広まりやすかった”ってのと”日本人好みの味でシンプルに美味しかったから”という理由が大きいと思います。多分、見た目だけのインパクトで味がイマイチだったら、そこまで流行ってないですね。

そしてキャズムを超えた瞬間は”街にポコポコとタピオカミルクティー屋ができた”あたりだと思います。キャズムを超えたタピオカミルクティーの認知と評価はどんどん広がっていって「誰でも気軽に買える」というところまで来ますが”絶対に飲みたくない人達”と”知る術がない人達”のところでシェア拡大は止まった感じですね。それ以上は拡大のしようがないですね。食べ物系は好みがあるからしょうがない。

まとめ

私はマーケティング論の初心者なのですが、商品開発においてはターゲット層を定める必要がある…ってことはわかっていたのですが、じゃあ10~30代男性のオタク向け商品を開発したとして、その中でもイノベーター理論でいうところの”層”が分かれてくる…という観点があるんだなと勉強になりました。

超楽しい!引き続きもっと勉強します。


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