三十(さとう)

文字あそびをして、短文を書きます。 完全独学自己流です。書道家ではありません。 BLと観劇と刀剣乱舞(江!)が好き。 *文字あそび作品・掌編作品・画像の無断利用及び転載はお控えください* *Repost is prohibited*

三十(さとう)

文字あそびをして、短文を書きます。 完全独学自己流です。書道家ではありません。 BLと観劇と刀剣乱舞(江!)が好き。 *文字あそび作品・掌編作品・画像の無断利用及び転載はお控えください* *Repost is prohibited*

最近の記事

枇杷~びわ~

半年以上も前、 それもこれから寒くなるってときに 咲かなくてもいいのにねぇ 実をつけるのは初夏なんでしょ 春先に咲けば間に合うじゃない あぁ、もしかしたら この季節に約束があるのかも 心配させないように暖かい綿毛に身を包んで 香り高く居場所を知らせているのかも 文字あそび 枇杷~びわ~ 初冬に多くの白い花をつける。花は茶色の綿毛に包まれていて目立たないが、とても良い香りがする。 翌年6月ごろ、卵型の実が熟する。

    • 繊月~せんげつ~

      頼りのない繊月でございますな けれども、我らには似合いの月でもございます  心許なくゆらりとゆれて  ほとりと湖面に雫を落とし  あえかな水音、耳の奥  知らぬ存ぜぬ月の路 頼りのない繊月でございますれば それでこそ、我らの標となりましょうぞ 文字あそび 繊月~せんげつ~ 細い形の月。 三日月などをさす。

      • 尖風~せんぷう~

        怖れなどあるものですか 御覧なさい 尖風が道を示してくれました わたしのために道を拓いてくれたのです 照らす明かりは天がお恵みくださいました 踏み出す力はあなたが これほどまでの幸いに わたしは報いなければなりません わたしは望みを叶えなければなりません 文字あそび 尖風~せんぷう~ 突き刺さるように鋭く吹く風。

        • 涳濛~こうもう~

          この雨は良くないね こんなに細かいから大丈夫だと思ってしまうだろ ところがね こんなに細かいからこそ どんな隙間にも入り込んで 内側からしっとりと重く濡らしてしまうんだよ 気付いたときには 全身がすっかり濡れてしまって もう、元には戻れなくなってしまうんだ 文字あそび 涳濛~こうもう~ 細かい雨。糠雨。

          花芒~はなすすき~

          ちょっと地味だけどね すすきにだって花は咲くんだよ 生きているからね それが命の代償だよ ぼくだって花は咲くんだよ 地味だし たぶん命の意味からは外れているけれどね でもね、 「意味」なんてぼくの知ったことじゃないよ ぼくだって花は咲く 命の代償は支払うよ 文字あそび 花芒~はなすすき~ 茎の先に長さ20cmほどの黄褐色の花穂を伸ばしたすすき。

          花芒~はなすすき~

          千波万波~せんぱばんぱ~

          大丈夫 のらりくらりと躱しておけば いずれは退くものです えぇ、慣れていますので あちらだってじきに飽きますよ こちらはとっくに飽き飽きしてますけどね この波を越えたら 何か楽しいことしましょうか 次の波を越えたら、その次の波を越えたら、 いつかは、ね 文字あそび 千波万波~せんぱばんぱ~ 多くの波。押し寄せてくるたくさんの波。 または、次々と引き続きやってくるもののたとえ。

          千波万波~せんぱばんぱ~

          連珠~れんじゅ~

          今、五目並べなんて、って思っただろ わかってるのかな 君は白石、僕は黒石 つまり、先手は僕なんだよ 正式ルールも知らないくせに…ねぇ 五目並べはね、先手が勝つんだよ そういうものなんだ ね、先手は僕、なんだよ 文字あそび 連珠~れんじゅ~ 五目並べを競技として成立するようにルールを整えたボードゲームの一種。 ●写真:むにさん https://twitter.com/160muni911

          連珠~れんじゅ~

          叢雲~そううん~

          ほら、見て 雲たちがあんなにも集まって なにをしているのかしら どんなお話をしているのかしら わたしも仲間に入れてくれないかしら ねぇ、姐さま わたしをぽーんと放ってちょうだい 大丈夫よ あんなにも集まっているのだもの 落ちやしないわ ね、 文字あそび 叢雲~そううん~ 群がり集まる雲。

          叢雲~そううん~

          尭風舜雨~ぎょうふうしゅんう~

          良き年でございましたな 残り二月も何事もなく過ごせましょうな えぇ、えぇ、あとは冬支度を滞りなく 赤子が凍えぬように 童児が飢えぬように 新たな年と新たな春を 心安く迎えられるように さてさて、尭風舜雨の仕上げと参りましょうか 我らの血肉を礎に 文字あそび 尭風舜雨~ぎょうふうしゅんう~ 伝説的な古代中国の聖天子、尭・舜の恩徳が国中に行き渡ったのを、風雨の恵みにたとえた言葉。 天下太平のさま。

          尭風舜雨~ぎょうふうしゅんう~

          日華~にっか~

          青い空など存在するのでしょうか 空はぼんやりと雲に覆われているものでしょう つゆ草で染めたような空など おとぎ話の中だけのもの それでも、 あの雲を透かして輝く華は知っています 頬に感じるぬくもりも 水面に映る銀の輪も 激しさではなく優しさでこの地を守る華ならば 文字あそび 日華~にっか~ 太陽。日光。

          日華~にっか~

          黄鐘~こうしょう~

          黄鐘と申します 全ての音律の基となるのがわたくし そして、古の月のめぐりは十一月から数えるもの 故に、 基となる黄鐘の名で呼ばれまする 長い夜が明け、陽が昇り輝きを取り戻す刻 今は昔の物語ではございますが 黄金にきらめく鐘の名に ふさわしいではありませぬか 文字あそび 黄鐘~こうしょう~ 陰暦11月の異称。 中国音楽の十二律を十二か月に当てたもの。 旧暦の月は、冬至を含む月を必ず十一月として数え始め、以降十二月、一月、二月…となるため、基音となる黄鐘が十一月となる。

          黄鐘~こうしょう~

          南蛮煙管~なんばんぎせる~

          なんとも愚かではありませぬか こうやって俯いて憂い顔をして見せれば ほら、ころりと騙されてくれるのですよ あとはいつも通り 申し訳なさそうに悲しそうに 微笑んでいればそれでおしまい 全てをわたしに明け渡して 満たされた空っぽのまま往生されるのですよ 文字あそび 南蛮煙管~なんばんぎせる~ イネ科植物の根に寄生し、秋に薄赤紫色のつぼ型の花を横向きにつける。 寄主の根から吸収した栄養分に依存するため、寄主は死に至ることもある。 花が俯いて咲くようすが、物思いをしている人を連想さ

          南蛮煙管~なんばんぎせる~

          浅酌低唱~せんしゃくていしょう~

          ここに座って一節付き合ってくれればいいさ あんた、そんなに強くないんだからさ 無理に飲むことはないさ おれがあんたの歌声を気に入ってるってだけさ で、 あんたはおれの飲みっぷりを気に入ってるだろ 互いの気に入りを楽しむってのもさ いいもんだろ 文字あそび 浅酌低唱~せんしゃくていしょう~ 静かに酒を味わい、小声で歌を口ずさむこと。 また、そのような酒宴。 上品な酒席のたとえ。 ほろ酔い気分。

          浅酌低唱~せんしゃくていしょう~

          小春日和~こはるびより~

          あんたもたいへんだな 厳しい季節を迎える前のほんのひと時 恵みの小春を楽しむことも許されないのかい なぁ、誰にも知らせなきゃ構いやしないだろ ほら、ちょっとここへきて 目を閉じてみなよ な、俺が連れて行ってやるからさ 文字あそび 小春日和~こはるびより~ 晩秋から初冬のころの暖かくて穏やかな天気のこと。 ●写真:むにさん https://twitter.com/160muni911

          小春日和~こはるびより~

          久雨~きゅうう~

          雨、止みそうもありませんねぇ 私はかまわないんですねどね あなたは… ね、私と二人じゃ気づまりでしょう かといって、この雨ではねぇ えぇ、私はかまわないのですよ あとはあなた次第 いやですよ、ご自分で決めてください あなたの気持ちはあなたのものですから 文字あそび 久雨~きゅうう~ 長い時間、降っている雨。

          久雨~きゅうう~

          赤気~せっき~

          吉兆か凶兆かなんて 気の持ちようひとつだ もしくは誰の口から出たか、だな でな、おもしろいことに、だ 吉兆は おエライ権威のある人の口から出れば信じられ 凶兆は そこらへんの民草の口から広がって行くんだよ さてと、おエライ権威あるお前さんは これをどうするんだい 文字あそび 赤気~せっき~ 赤く感じられる雲の動き。 彗星やオーロラをさす場合もある。

          赤気~せっき~