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ハタチ

来月、長男が二十歳になる。長男とはいろんな意味で一緒に苦労をしてきた。怒鳴り合いの大喧嘩もしたし、大人の事情を押し付けて辛い思いをさせたり、そんなものと母子で戦ったり…だから、長男は息子というより「同志」のような感じもする。

父親になれない父親。そこになんとか、長男への愛情を注いでもらおうと苦心する母。長男が父親を嫌いにならないようにと、悪口や諦めを態度や口にすることは絶対にしなかった。

次男が生まれるずっと前に、パソコンに遺言らしきものを残した。私が死んだら本当のことをたくさん話そうと。でも、子どもの方が数倍も上で、そんなこと中学の頃には見透かしていた。

その長男が二十歳。これから、彼は自分の実力を買ってもらう世界へと足を踏み入れる。私の援助はここまで。彼は一人暮らしの予定こそないものの社会の厳しさに接していくだろう。

何か特別にハタチのプレゼントを…と思っていたら、あるブランドの靴が欲しいと言っていたので、それに決定。

せっかくお酒が飲めるようになったから、2人で居酒屋デートでもしたいな。それこそ、ぶっちゃけ話もたくさんしながら。割と馬が合う長男とだから、それなりに受け止めてくれるだろう。

20年といえば長いけど、ハタチといえばまだそれほどでもない気がして、私が「ハタチ」と言ってしまうのはまだ子離れしてない証拠かなぁ。

来月が楽しみで、なんとなく寂しい気持ちでいる。

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