「副教科」という言葉

Choose Life Projectという団体が5/21にオンライン上で開いていたシンポジウム、「#WeNeedCulture 文化芸術復興基金をつくろう」を、仕事中にラジオのように聞きました。

そこで繰り返して言われていたのが、「日本は文化や芸術が見られることが多い」ということ。確かにそうだよなーと思って、その理由を考えた時、ふと浮かんだのが「副教科」という概念でした。

 

副教科は、音楽や美術、技術などを総称して呼ぶ言葉。主教科と比べたときに「副」っていうと劣っているような印象を受けますし、実際、大学受験に必要なのが主教科で必要ないのが副教科っていう事実からも、学生のころに「副教科 = 重要度の低いもの」っていう無意識が形成されやすいと思うんですよね。

自分の経験を振り返っても、主教科の成績が良いやつがすごいみたいな風潮があったし、別に副教科は頑張らなくてもいいやって思っていました。

だから、この「副教科」って言葉こそが、日本で文化や芸術が低く見られる原因の1つなんじゃないかなって思ったんです。

 

もちろん海外にも「副教科」っていう概念があるのなら、「日本で」というのに合致しません。ただ、検索してみた限り、「副教科」に対応する英語は出てきませんでした。

やっぱり自分の仮説は結構いい線いってる気がします。

 

ちなみに大人になった今は、副教科の重要性を痛感しています。それは、副教科とされる教科が、どれもクリエイティビティを養うのに重要な役割を担う教科だからです。

美術や技術の時間に何かを作るのはもちろん、音楽や美術の時間に作品を観賞したり、体育の時間にチームスポーツで作戦会議をしたりすることも創造的な作業ですよね。

一方で中高の数学や理科、社会って、ただただ事実や事実とされていることを受動的に教わるだけ。なので、主教科だけ真面目に取り組んでいても、クリエイティビティはほとんど身につかないと思います。

 

副教科が重要だから、文化・芸術も重要だよねとはなりませんが、副教科という言葉や考え方がなくなれば、文化・芸術が下に見られることもなくなるんじゃないかなーってのが言いたかったこと。

自分の子供には、副教科っていう言葉を意識せずに育って欲しいなって思います。

 


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