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大人の遠足〜京都〜修学院離宮→仙洞御所→桂離宮

行ってみたかった京都の離宮

西洋の「離宮」って、なんとなく「宮殿」よりミステリアスな響きがあるような気がして、魅かれるものがあります。

私が初めて日本の「離宮」の存在をしったのは、小学校4年生の頃。
貸本屋さんで借りたマンガ「エースをねらえ!」の中で、主人公の憧れの人「藤堂さん」がオーストラリアから来たテニスの選手を「桂離宮」に案内する場面でした。
計算されつくした建物と庭園の関係を「藤堂さん」が説明しているところをずーっと覚えていました。

いつか、行ってみたいと思っていましたが、大人になって初めて行く方法を調べたときは、平日のみの拝観で、申し込みは往復ハガキ。
時代は変わって、今はインターネットで申し込みできます。

じゃあ、せっかくだから「修学院離宮」も行ってみたいと、調べていたら、「仙洞御所」も申し込みのカテゴリーが同じで、この3つは1日で行けるのか?とスケジュールを組んで挑みました。

京都市内で真ん中の赤丸の京都御苑の中に
仙洞御所はある

それぞれの見学申し込みサイトで日時を予約して、ガイドツアーに申し込みます。そこには見学所要時間も出ているので、その時間と各場所への移動時間をグーグルマップで確認して以下のような「大人の遠足」プランを作りました。

この記事では、まず1日のスケジュールを追っていきます。
各場所の詳細はまた別記事で…。

まずは一番遠い「修学院離宮」

大阪から見ると一番東にあって、しかも見学所要時間も一番長い「修学院離宮」から見学開始です。

京都市内といっても「修学院離宮」があるのは比叡山の麓、私が住む大阪市内から電車で約2時間かかります。

午前10時 修学院離宮(見学料:無料)

中離宮の門
ぼんやりあべのハルカスも見えるというけど私は未確認

「修学院離宮」のポイントは広さと高低差の中にある3つの離宮。54万5千㎡を超える敷地は東京ドーム8個分、一番上は京都タワーの展望台と同じという高さ。1655年、後水尾(ごみずのお)上皇によって造営されています。

午後12時 お弁当(圓堂の「天ちらし」)

遠足にはお弁当がつきものです(笑)。
大阪では簡単に食べることができないお弁当があります。
今回、それをひとつ予約してテイクアウトで作ってもらっていたので、修学院離宮から市バスにのって、平安神宮近くの岡崎公園の横にあるお店に取りにいきました。

「圓堂」は大阪のデパートにもお店があるが…
この「天ちらし」は大阪のお店では
予約引き取りも出来ない
(税込み59,400円以上で配達あり=無理:(笑))

お弁当をもらって、また市バスに乗って、次の目的地:仙洞御所のある京都御苑に向かいます。

南北は地下鉄一駅分ある京都御苑

ここに来て、雨が降り出しました。修学院離宮ではなんとか曇天で、カンカン照りの晴天より歩きやすかったのですが、この玉砂利!雨で水分を含むとめっちゃ重いんです。しかも修学院離宮で園内だけで3キロ歩いたあとなので、脚にキテルことがよーくわかりました。
「最後までもつかな…私」一瞬、不安になりました。

とりあえず、仙洞御所見学の受付の場所まで行って、お弁当を食べられそうな場所を探します。
仙洞御所の受付は、受付だけテント張りで、見学者が待機する場所は受付前にはありません。
キョロキョロしてると、受付の前の道から見える屋根。あっ!ここは1か月前、「京都迎賓館」に来たときに受付があった「清和殿休憩所」だ!
「京都迎賓館」は内閣府の管轄で、現在使用されている屋内見学も多いためか、セキュリティも厳しく、そのための設備もいろいろあり(飛行機に乗るとき並みのセキュリティチェックを受けます)、つまり、1か月前の京都迎賓館は見学料金2,000円取られました。ゆえに、清和殿休憩所はめっちゃきれいな施設です(これが言いたかった)

建物に入ると、係員の人が丁寧に対応してくれ、「こちらは京都迎賓館の受付と、無料の休憩所になっています」と説明されます。はいはい、存じておりますと心の中で返答して、「お弁当を食べてもいいのでしょうか?」と聞いたら、「どうぞ、大丈夫です」。うーん、長椅子しかないし、その前は京都迎賓館に入る人が通るんだけど…でも外は小雨降ってるし。

少々、恥ずかしいですが、お昼の時間だし周りの人もヘンな目で見ないだろうと都合よく解釈して、「天ちらし」を開けました。

季節の天ぷらがいろいろのってます。今回は白魚!!

食レポは本筋からハズレるので割愛します(笑)。

午後1時30分 京都仙洞御所

昨年5月に上皇・上皇后もここから入られた
大宮御所車寄せ
庭ももちろん美しい

仙洞御所って確か、東京にもあるよね?今の上皇ご夫妻が住んでいる場所もそんな名前じゃなかった?と思っていたら、仙洞御所というのは地名ではなく、皇位を退いた天皇(上皇・院)が住む場所という意味なのだそうです。ちなみに、仙洞御所の見学では隣接する大宮御所も(どちらも屋内見学はなし)外から説明があるのですが、大宮御所とは皇太后が住む場所ということでした。

この京都仙洞御所のポイントは、現在も天皇皇后両陛下や上皇上皇后両陛下が入洛された時に使用されている場所ということ。

そして、ここも江戸時代の初期1630年に御水尾上皇の御所として完成したとパンフレットに載っています。えっ?ここも御水尾上皇?!偶然すぎる!
何者なの?この人?と歴史好きの私の食指が動きます(笑)。

京都御苑の東側:蛤御門から烏丸通を南下して
地下鉄丸太町の途中にある聖アグネス教会
同じ通りに素敵な洋館を発見!
ヴォーリス設計「大丸ヴィラ」

午後4時 桂離宮(見学料:1000円)

正直、回遊式大庭園も3か所目は感動が薄くなる
観月のために方位を考えて設計されている

地下鉄と阪急電車を乗り継いで、最後の桂離宮に到着しました。
ここでやっと青空が出てきました。

桂離宮のポイントは、各所の美意識!
3箇所目で面倒になってる?!(笑)
そんなことはありません!
桂離宮の不整美。あえてすべてを統一しない美学は今のファッションの抜け感に通じると思いました。

ここは1615年(元和元)智仁親王(初代八条宮)が造営に着手。約47年後の智忠親王(2代)の代に後水尾上皇の行幸のため造営しほぼ完成したとあります。

歩数は2万歩を超えた

今日の3箇所はすべて最寄り駅から15分以上歩きます。(仙洞御所は京都御苑内ですが、御苑の中が広い)そして、中の庭園を歩き回る。
もう、最後の桂離宮を出たあと、前の駐車場に入っていく人の羨ましかったこと…。

家に着いて、スマホで歩数を確認したら20,266歩!約14キロぐらい歩いたことになります。
私、まだこんなに歩けるんだ…。
(このあと、数日疲れがとれないことになったけど)

春の大人の遠足は次の遠足を生む?

こうして1日をかけて京都の離宮と御所を巡りましたが、建築物や庭園の鑑賞の他に、新たな興味も生まれました。

まず、3箇所全てに関わっている後水尾上皇。
お金持ちの上皇なのか?わがままな上皇なのか?江戸時代初期の人なのですが、時代背景、江戸幕府との関わりなど歴史好きの私にとって、見過ごせない。ちょっと調べてみたい人です。

それから京都仙洞御所のあと、前を通りかかった「大丸ヴィラ」。大丸百貨店の創業者が建てたもののようですが、年に一度ぐらい公開されるようなので、行ってみたいです。

外に出ることは、本当に新たな興味を引き出してくれて、だんだん刺激がなくなる日常に「喝!」を与えてくれるようです。


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