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(Movie)ビリーブ 未来への大逆転

50年前のアメリカで弁護士ルース・ギンズバーグ〈100%負ける〉はずの裁判に挑んだ爽快な逆転劇とは。

貧しいユダヤ人家庭に生まれたルース・ギンズバーグは、「すべてに疑問を持て」という亡き母の言葉を胸に努力を重ね、名門ハーバード法科大学院に入学する。1956年当時、500人の生徒のうち女性は9人で、女子トイレすらなかった。家事も育児も分担する夫のマーティンの協力のもと首席で卒業するが、女だからというだけで雇ってくれる法律事務所はなかった。やむなく大学教授になったルースは、70年代になってさらに男女平等の講義に力を入れる。それでも弁護士の夢を捨てられないルースに、マーティンがある訴訟の記録を見せる。ルースはその訴訟が、歴史を変える裁判になることを信じ、自ら弁護を買って出るのだが──。

公式ホームページより

いきなりあらすじから始めさせていただきました。
免許の更新にも行けたし、時間があったので映画を見始めた所存です。
来週からはポケモンのゲームに勤しまなければいけないのでこうやって長い時間を取って、映画を見る機会も少なくなってしまいますね。

女性蔑視とかミソジニーとか

舞台は50年前、結構最近だなという印象を抱いておりますが、女性蔑視の風潮が強く残っている時代です。
本作の具体例としては、就職ができないとか。でも、日本で男女雇用機会均等法ができたのは1972年でようやく50年経ったっていうぐらいなんですね。
女性は自分たちでクレジットカードを作れないっていうのは驚きでした……
結局、社会っていうのは男性至上主義で回っているんですよね。回ってい「た」と書くべきか悩みましたが、あえて回っていると書いています。
女性は家庭という思想については未だ根強く残っているように思います。
個人的な問題意識としては、男性が抱いてるだけでなく、女性が家庭に入りたい(意思か諦念かはさておき)と思ってるケースも少なくないことです。
しかもこのような社会を是正しようとする主人公の切り札が「男性に対する性差別的法律の制定」というのがとてもアイロニー。女性が差別されていると、女性が叫んでも助けてくれる人なんて全然いないんですね……
昨今はLGBTがマイノリティーとして代表例に挙げられますが「LGBTってこんなに辛い!」と当事者たちが声を上げてもあんまり周りの人達は耳を傾けていないように思います。
つまり、ぬるま湯に浸かっているマジョリティーが他者に共感をすることができるようになるという点がすごく重要なのではないかと偏見に問題に関しては思います。


凝りかたまってるのは大人の方

本作で印象的だったシーンとしましては、娘がとてもリベラルな発想を持っていたところです。
大人ってどうしてもあちらを立てたり、こちらを立てたりしなければいけないので、日和見主義になりがちというか、防衛本能で動いたりしています。
でも、子ども達ってある種猪突猛進なところがあるからガツガツ自分の考えを述べることもできるし、グイグイ自己主張も出来ます(実際、日本の子どもがするかと言ったら別ですが)
具体的な本作のエピソードで言えば、女であるということを、道路工事の男性に揶揄され、ほっときなさいという母親の言葉を無視した娘の罵詈雑言。
もちろん攻撃に対して攻撃で返しちゃいけないんですけれど、黙っちゃおかねえぞっていう姿勢は大切だなと思いました!
自分が中学生とか高校生の頃ってLGBTとかに対してすごくセンシティブでいじめの対象でした。
あとはホモソーシャルな関係(男性同士の緊密な人間関係)にもセンシティブでした。
高校2年生のころ、現代文のテストが凄く悪くて落ち込んでいた俺を友人が抱きしめてくれたんですが、通りすがった体育教官に「男同士で抱き合って気持ち悪いな、お前ら」と言われたのはすごく印象的でした(同時に能力のない教員だとも思いました)。
今は日常的な光景になったというか、むしろ微笑ましい光景というか。男らしさ、女らしさみたいなものを次の世代が拘泥していないというところはすごくいい時代になったなと感じます。


実話を元にして作っている映画なんじゃないかな、たぶん。
娯楽映画というより、社会教育的映画でした。





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