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(Movie)✨窮鼠はチーズの夢を見る

成田凌のご尊顔好きなんですよね。
出てる作品は何作か見てるんですが本作の成田凌が一番いいように思います。
BL映画、増えましたよね。この成田凌と関ジャニの大倉くんっていう組み合わせは驚きでした。

あ、この作品はバリバリの18禁ですので、18歳になったらご視聴ください。以下あらすじ。

優柔不断な性格から不倫を重ねてきた広告代理店勤務の大伴恭一の前に、卒業以来会う機会のなかった大学の後輩・今ヶ瀬渉が現れる。今ヶ瀬は妻から派遣された浮気調査員として、恭一の不倫を追っていた。不倫の事実を恭一に突きつけた今ヶ瀬は、その事実を隠す条件を提示する。それは「カラダと引き換えに」という耳を疑うものだった。恭一は当然のように拒絶するが、7年間一途に恭一を思い続けてきたという今ヶ瀬のペースに乗せられてしまう。そして、恭一は今ヶ瀬との2人の時間が次第に心地よくなっていく。

映画.comより



稚拙な演技の美しさ

世の中には器用な人と器用じゃない人がいます。
演技もしかりで、上手な人と上手じゃない人がいます。
本作では関ジャニの大倉くんがとてつもなく演技下手くそです。しかし、それがとても良い。
棒読みなところが朴訥さを出していて良い。

ジブリ映画でも敢えて下手くそな人を採用したりしますよね。耳をすませばとか。
理由はその年齢差の拙さを出したいかららしいです。
人間ってすごく不思議な生き物だなと思うのは、整然とした美しさを大事にすると同時に、不完全さを好むというところです。
典型例ではミロのビーナスですよね。
高校の教科書でミロのビーナスは高校の教科書でミロのヴィーナスは腕がなく、そこを想像することにより美しさがより際立つという記述があり、とても驚いた思い出があります。


腕を想像しよう

大人になればなるほど、不完全なものの面白さっていうものに惹かれていくのが不思議でしょうがないです。

脚本の美しさ


この作品はまあとてつもなくadultな表現が多いのですが
脚本のセリフ回しがとてもきれいなんですよね。

例えば主人公の恭一が他の女性と関係を持って帰ってきた時に、「ご飯ある?」と尋ねるシーンがあります。
「ご飯ある?」
「グラタン」
「うまそ、食べよっかな」
「欲張り」 
この言葉回しはすごく面白いなと思いました。
たくさん食べるのが欲張りっていうセリフに見えるのですが、実際はコノテーションがあって、
「女の家に寄ってきたのを知っていて、他の人と関係を持ってるのに、自分が作ったご飯をあっけらかんと食おうなんて欲張り」
というニュアンスが含まれているように感じました。
脚本の美しさと成田凌の言い回しのうまさが如実に出ていたシーンでした。    


成田凌演技の魅力

成田凌は嫉妬してる演技がとっても上手です。




細かいところで言うと、とても衣装がいいです。
かませ犬お姉さんたちの衣装がとっても可愛いし、キャラクターを表しています。
今ケ瀬が3Dニット着てるのもめっちゃかわいい。とても似合うし、サイコな感じというか、アンニュイな感じがよい。

あと恭一の部屋のセットもよい。商社マンかぶれというか、無骨な感じの鉄筋むき出しおうち。

ヘテロセクシャルと同性愛の違いとは

同性愛をテーマにしてる映画を見てると、ヘテロセクシャル(異性愛)と何が違うのかなって思います。
例えば本作でも恭一が後輩の女性と仲良くなるのに対して今ケ瀬が嫉妬するのですが
極めて普通のシチュエーションだなぁーと思って見ていました。
もっとコミュニケーションをしっかりしようとか、誤解を招くような行動はしないようにしようとか
でも、元々恭一がヘテロセクシャルだから、男と仲良くしても女と仲良くしてもしんどいって思わなきゃいけないのは、今ケ瀬にとって四面楚歌だなって思います。

でも、この記事を書きながら思ったんですが「私と友達どっちが大事なの?」っていうのと同じですね。

パーソナリティーについて言及すると、今ケ瀬は多分小さい頃からゲイなのでとても自尊心が低いです。
だから発言も全て断定的。
「こうに決まっている」と、他人の言うことは基本的には受け入れません。
同性愛者の自殺率って、割合で言うと、ヘテロセクシャルに比べるととんでもないものなので
自分を受け入れられなかった、自分を受け入れてもらえなかったからこそ、このように断定的な考えになっているんだなと思いました。


一つ残念だったのは、ゲイバーのシーンでいかにもな人(短髪でヒゲでムチムチみたいな)が多くて偏見を促しそうだなっていう印象を抱きました。

最後のシーンの、心底惚れるって相手が全て例外になってしまうっていうことなんですねっていうセリフはとっても良かったです。
アダルトのシーンが多めですが、ストーリー展開や演出がとても素晴らしくいい映画でした。

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