長嶋一茂が三流ならば私は何流なのか?

私は30台半ばのよくいるサラリーマンである。
いや、よくいるは少し語弊がある。
自分は現職にとって2世タレントなのだから。

本の感想を書く前に少し自分のことを記載したいと思う。
私は2011年4月入社、大卒で今の会社に就職した。IT系の会社で12年目に突入した。
2011年といえば、リーマンショックの1年後である。
リーマンショックは本当にきつかった。
あの当時はサークルの先輩も就職浪人するレベルだった。どこを受けても書類審査で落ちる日々。もはや覚えてないが数十社は受けた記憶がある。がどこを受けても書類審査で落ちる。 そんな日々を過ごしていた。
もう就職浪人も覚悟したときに親に相談した、入社させてもらったのが父親が在籍している会社だった。
父親は役員ではない。最大でも支社長になった人だ。私が入社当時、会社は当時創立40年程度で今後100年を目指すために自分の子供が入社出来る会社を目指していた。私はその会社の夢に乗った。
当時2世は現社長のみで、父親はそれなりに会社で有名だった。
私が入ることは当時会社でも相当の話題になったのを後から聞いた。
ここまで書くとコネ入社のように思われるが、名誉のために記載しておくと、ちゃんと正規の手順で入社したと思っている。色眼鏡で見られていたのは自覚しているが、ちゃんと試験を受けて面接を受けて入社させてくれたのだから、問題はないだろう。
入社後改めて父親の評価を聞くと、ひょうきんもので有名だったようで私は入社してからずっといじられていた。当時の私はそれが居心地のいいものであり、悪いものでもあった。
そんなこんなで色々な感情をもちながら数年働いた時に何かの拍子で出会ったのが、長嶋一茂さんの『三流』である。
誰もが知るスーパースター、長嶋茂雄さんの息子が書いた本である。
この本を読んだときに涙が止まらなかった。今でも読み返す度に涙が止まらない。
長嶋一茂さんは2世。これは周知の事実である。
2世の気持ちなんて誰もわからない。親がいる以上誰もが2世なんだろうが、親と同じ業界、会社にいるなんてごく稀だと思う。
長嶋一茂さんと自分が同じ立場なんておこがましいが、気持ちは本当にわかる。長嶋一茂さんが三流ならば自分は何流なのだろうか。
また何流になれるんだろうか。
そんなことを思いながら日々働いている今日この頃である。


【備考】

タイトルとはいえ、長嶋一茂さんに対しさんづけをしておらず申し訳ございません。


長嶋一茂 『三流』

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