失敗という名の地下鉄に乗って①   ~まえがき~

おはようございます。劇団昴の三輪学です。
コロナ禍でYouTubeチャンネルを開設し、
有名先輩を出演させ再生数とチャンネル登録者数を水増ししていたところ、
Twitterに「で、お前は一体どんなやつなんだ」ということを
知りたいと言ってくださる方が現れました。
そんなこと思っていただける人、ほんとレアです。
SSRを超えてURです。賃貸ではないですよ、ウルトラレアです。
たとえそういうお方が一人だけだとしても、
ちょっとnoteというものを使って
わたしの演劇にまつわる半生を書いてみようと思った次第です。

だいたい自叙伝なんてものは、有名で何かを成した人が書くものですから、
私の場合『失敗という地下鉄』というタイトルになるわけです。

有名人、成功者の方は、いうなれば特急です。新幹線です。
みんさん流線型で時代の荒波に負けもせず時速300㎞で
芸能界を走り抜けているのです。
カッコイイので、撮り鉄さんとか、乗り鉄さんとかに大人気です。

地下鉄にも当然地下鉄の美学があって、それに魅かれる人も多いでしょう。
そんな「いやー地下鉄だっていいもんだよ」と言われる地下鉄とはまた違う地下鉄なんですよ、私は。

トロッコよりは多少ましなのではないかと、自分で自分を褒めてあげまして、そこに『失敗』というネガティブな単語を加えることによって、
ちょっと謙遜なんかしてみたりした結果です。

謙遜というか、現状事実のほかないですよね。だって売れてないんだもの。

劇団に所属して17年、それなりに芸能のお仕事させていただいていますが、
「お仕事何なさってるんですか?」
「あーいや、一応舞台俳優やってまして。」
「へーいいですね、夢があって。」
なんて会話はいまだにたまにあります。
さすがに47歳にもなると、
「(あ、やべー奴だ…)」って雰囲気になることが増えましたけど。
やっぱり一般の方、とくに舞台などに興味のない方は
テレビなどに露出しないと、成功とは認識しないものなのです。
ね?みなさん。

だから、一般論で言うと売れてない『失敗』で当然なんです。

でもですね、そんなわたしにも
ちょっとだけ意地みたいなもんがあるんですよ。
誰かに向けた意地というより、自分に向けた意地なんで、
ちょっとだけ許してください。

それは日々俳優を目指して、「あの列車に乗ろう!」と前に踏み出しても、
わたしの乗っているような「失敗という名の地下鉄」にも乗れない人がたくさんいるんです。
うまく乗り込めたとしても、志半ばで途中下車していく人もたくさんいるんです。

たとえば、うちの劇団に所属するためには、付属の演劇学校に通い、
査定を受け、選ばれないと準劇団員として仮採用もされませんでした。
つまり、わたしが受かったことによって、落ちた人がその時点でたくさんいるということなんです。

舞台の世界、芸能の世界と枠を広げていくと、ほんとたくさんの人が
『前に進むことができない』というところに直面しているんです。
そういう人たちに、
「なんだよ、あいつなんか乗せて途中で降りちまうぐらいなら、俺を乗せとけよ!」
と思わしちゃいけないなぁと思い続けて、ここ十数年活動してきました。
失敗という地下鉄なりに、ああ、あいつが乗ってよかったなぁと。

この地下鉄はまだ動いているんです。
動いていると、どっかに行くんですよ。
そのどっかが、どんなところなのか、いまだちょっとわかりませんけど。

そんな私が今に至るまでのお話をこれからしていくつもりです。

まえがきの最後に。
感のイイ人はお気づきかもしれませんが、
わたしはBLANKEY JET CITYが大好きです。

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