電車内で新人リーマンが嘔吐してた話

一年以上前の話。
終電間際の電車内で居眠りしてた時のこと。

何駅か過ぎてふと…ツンと鼻につく酸っぱい匂いで起きたんだよね。
顔を上げたら向かいの席の、新人っぽいサラリーマンがゲ○吐いてた。

車内は阿鼻叫喚。アイアムアヒーローのワンシーンみたいだった。

しかも、立て続けに何度も吐いちゃって、新卒リーマンの膝、鞄だけでなく、隣に座っていた強面お兄さんのジーパンまでゲ○まみれ。

僕は寝たふりしながらその様子を伺ってました。

対岸の火事ならぬ対面のゲロ。

新卒リーマンは小さく震えながらうずくまったまま。
そんな新卒リーマンに対して、ゲ○ぶっかけられたお兄さんはどうするのかなぁと、僕はワクワ…ハラハラしながら様子を見ていました。

すると、なんとお兄さんが優しく新人リーマンを励まし始めたの。

「お前、新人か?辛いことでもあったか?」って。イケメンすぎて惚れるかと思った。

そしたら、車内の雰囲気も一変して同情ムードになってさ。
おばちゃんがティッシュくれたり、外人っぽいお姉さんが飲み物くれたり。
僕は寝たふりしてたけど。

新卒リーマンはずーっと泣きながらお礼言ってたよ。
世の中、優しい人ばかりだなぁと感心しちゃったよ。寝たふり貫いてた自分が恥ずかしい。

んで、2-3駅でほぼ全員降りて、寝たふりの僕と新卒リーマン二人きりになったんだよね。


その途端に新卒リーマン、スッと泣き止んで何事もなかったかの如くソシャゲ始めやがってやっぱ世の中ろくなやついねぇなぁと思いました。おわり。

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