二人のじいちゃんから受け継いだもの 〜横浜のじいちゃん〜

横浜のじいちゃん
 
 横浜のじいちゃんはもうすぐ92歳になろうとしている。二人の娘と7人の孫、そして3人のひ孫に恵まれ、もう人生に悔いはないと楽しそうだ。おばあちゃんも今年93歳になろうとしている老夫婦だが、二人とも大きな病気はまだない。ばあちゃんはじいちゃんと正反対で心配性の塊みたいな優しい人だ。

 じいちゃんは戦後すぐに獣医師免許をとり、薬品メーカーの研究所で働いたのち、大学の名誉教授になったり、ペットアニマル専門学校の校長先生を引き受けたり、天皇から勲章を授与されたりしていた。

また趣味として、動物園で25年ほどボランティアしたり、動物文学誌に記事を投稿し続けたり、放送大学を3回卒業したり、俳句集を出したりと、とにかく興味・関心のあることに没頭することが得意で、学ぶことと執筆することが大好きでやめらないというような人だ。

それなのに自分のことやお金には関心がなくて、90年間生きてきた中の武勇伝など一度も聞かされたことがない。でも困っている時は、何も言わず資金面や精神面で助けてくれたり何かとやることがスマートなじいちゃんだ。


 そんな横浜のじいちゃんは、今は若い子の死に方と生き方についての講演会に挑戦したり、地球や子どもの未来を考えるオンラインサロンの講師の一人として参加させてもらっている。

「もう老人なんて生きてるだけで迷惑なのだからすぐに死んでもいいんだが、自分は生かされていてまだ動けるし喋れるし考えられる。どうせ生かされているのなら、生きてるうちは役に立ちたい。」


と悟りを開いているようなことを言うが、その目的は昨今の子どもの自殺に疑問を持ち、なんとかしたいと思っていることが大きいと思う。

その情熱に心が揺さぶられ、誇りに思い、その夢を叶えるサポートをしたいと思いマネージャーを自ら引き受けた。

じいちゃんの人生最後かもしれない一大プロジェクトに関われるなんてとても光栄で最高だと思っている。

 長生きの秘訣を良く聞かれるじいちゃんは、

「わがままに生きてきた。ただそれだけのこと」


と答えてくれる。

いたずら好きで、常に夏休みの自由研究をやっていて、子ども心をくすぐる遊びを知っている。

最近はYouTubeを覚えてさらに学びのジャンルが増えてしまい、また長生きしてしまうなあと喜んでいるようにも見えて、応援したくなる少年の目の持ち主だ。

私が学び続ける理由の人で、大好きな人だ。

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