二人のじいちゃんから受け継いだもの 〜はじめに〜


はじめに

 私の人生において大きな影響を与えてくれた存在の中から、二人のじいちゃんのことを残していきたいと思った。

母方のおじいちゃんのことを「横浜のじいちゃん」と呼び、父方のおじいちゃんのことを「千葉のじいちゃん」と呼んでいるので、ここでもそのまま呼ぶことにする。


 二人のことを描くには、あまりにも大きくて近くて見えなかったのと、言葉で表すにはあまりにも曖昧な感情であったから、まさか文字にしようなんて思ってもいなかった。しかし、29歳の誕生日を過ぎた3時間後に最愛の人、千葉のじいちゃんを突然亡くし、その時にやっとはっきり見えてきたものがあった。

 この感情、気持ち、経験は文字に残さないといつか自分が忘れてしまうのではないかと思い、こうして綴るようになっていった。さらに、ちょうど横浜のじいちゃんとは新しい挑戦をしている最中で、彼からも違う感情や経験を学ばせてもらっていたので、全てを自分だけに留めておくのは勿体無くていてもたってもいられず、今こうしてキーボードに打ち込んでいるわけだ。

私は漫画のワンピースが大好きなので、チョッパーの冬島編で絶体絶命な状況の中Dr.ヒルルクが最後に言う「お前におれは殺せねえ!人はいつ死ぬと思う?・・・人に忘れ去られた時だ!俺は死なねえ!」という言葉が大好きだ。きっとこれも影響している。

大切なことを忘れてしまうことを恐れている。

私だけは、二人が残してくれた大切なことを忘れないようにしたいと心から思っている。


 私は、横浜生まれ横浜育ち横浜在住の「浜っ子」で、至って普通の家庭で育ち、普通に思春期を過ごして普通に大学へ行かせてもらい、普通に就職し、結婚して退職して独立した。子どもはまだいない。

ちなみにプロフールで良く言いがちな「普通」というワードは私は好きではない。むしろ嫌いだ。すごく違和感を感じる言葉だと昔から思っている。

 私からすれば、自分も含め、みんな「普通じゃない」=「変」だ。

要するに、私が現在思う普通から外れるものは全て変なのだ。その中でも、特に「変だ!」と思っていたのが二組の自分の祖父母である。

特にじいちゃんたちは、あきらかに普通じゃない。でも普通に生きてきたのだ。それがとても不思議で、魅力的で、憧れの存在だ。


 そんな二人のじいちゃんの紹介と、私への影響力も綴りたい。

それは、孫が祖父母に影響することはあまり少ない世の中みたいだから。

私にとってその状態は普通じゃない。

ちゃんと受け継いでいるものがあり、二人のおかげで学んだことが、今の私を構成していることを証明したいと思う。

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