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【散文詩】フレア

この火の子を途絶えさせてはならぬ。
この生は頂きもの
人間という入れものへ降りられるのは
はる なつ あき 折々に
タネ芽吹かし みどりに花咲き
朽ちて その実に宿らむ故。
しかふしてふゆ こさむ故也。

ふゆ来りてたねの無きは
引っ繰り還らふにも帰れぬ

この生を慈しむたね 遺せよ
灯(ひ)を途絶えさせてはならぬのじゃ。
それは手から手へ
血を交わして結びてつなぐもの
いのいの壱番 ないがしろにしちき
あかぬもの。
火の子独りでは心許なく
大勢で躍らせ手を重ねて
見守るもの。

遠くにやってたまふすな
遠くにやってたまふすな
金は朽ちれども
煙に薪して勢い絶やすなかれ。
まきくべよ いつくしめよ
たおこせよ 耕起(たおこ)せよ
この火の子とこしへにつなげよ。


令和参年八月七日
宮崎県椎葉村の焼畑から二日目の朝に
知未

FLARE

How dare could we
Not be mothering the fire;
the root, the very being, which bears what comes and goes?

Real witchery 
Dooms the dare, gold plated;
Seeds are to be sawn 
In order to sprout

Without the shell,
How would it be passed through the winter?


07AUG2021  S.S.O
in the middle of the Shiiba village after witnessing the field burning inherited for thousands of years.


#焼畑 #椎葉村 #持続可能なライフスタイル   #いのち




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