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雑感

生き切る、ってどういうことなんだろう?――ふと、そんな考えが頭をよぎった。

母が最近、手術を受けた。命に別状はない、と事前に聞いてはいたが、それでも心穏やかではなかった。結果、無事終わり、少し落ち着いた今日、手紙を受け取った。

人生七度目の手術だった、とそこには書かれていて、改めて彼女のくぐってきたその回数に驚く。七つの時に小児麻痺で右腕がそっくり動かなくなってしまった彼女は、それからティーンエイジャーの時期を腕の可動手術を何度も受けて過ごした。

その後、帝王切開で子どもを二人産むなど、女性であることで通過してきた手術が、数度。

そんな彼女から生を授かり育ててもらった私は、夢を追うのに自分の娘と離れて暮らすのに心を痛めて、仕事が手に着かなくなりそうな自分と対峙している。ともすれば、尻尾を巻いて逃げそうにすらなっている。


生き切りたい。どうせ生きるなら世間体や外聞はともかく、この時代に必要とされることに自分のエネルギーをくべたい。

人情にどうしようもなく揺さぶられながら、そういうところを心の杭に踏みとどまって、どうにか生きていたい。そこに在る今日の今。

さあ、仕事だ。

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