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とらぬ狸の/ペンと櫛と包丁【詩のことば三編】

とらぬ狸の

打てば響く社会人になりたかった
本気でなりたかった
人の役に立ち、認められたかった

しかし方向を間違えた
ちゃんと理解してなかった
「皆が求める太鼓」像は
あまりにわたしの内実と違っていた

装ってパンパンに張ったその太鼓は
良い音がする筈もなく
憤った通りすがりの打ち手に打たれ、破けた

邦楽の打楽器の皮張りは高い
その特質をよく知る熟練の職人が
技を磨き道具を毎日手入れして
初めて適度な張力を得る

猫も犬も牛皮も
とらぬ狸も

虚像の太鼓を目指さなくてよかったんだ
とらぬ狸の皮で
自己分析 人生設計
そんなのすかすかじゃん?

あなたというからだと脳の気質特質を
紐解いて理解するのが
あなたという職人の一番の基礎

そこへの皮張りの技術を磨き
最適環境を調整し
万事繰り合わせるのが
あなたという職人の技術

己をもっと深く知り、
技を励み、
本当の打てば響く太鼓になれますように。

*

ペンと櫛と包丁

ペンと櫛と包丁がお盆に乗っていた
等間隔で美しくそれは差し出される

どれもがわたしを構成する要素
でも全て一度に、はできない

わたしをわたしでいさせて!
ペンが恨めしくこちらを見ている

カーリー神は刀も人の首も持っていた
ラクシュミーは治癒の象徴も豊穣の象徴も
シヴァは破壊のダンスを踊る
いずれも数多の手を持っていた

わたしにも手が
八つか十二くらい
あったらいいのに

乳母がいたら女王に専念できるのに
飯炊きや小間使いや侍女がいたら

彼女たちが敬い慕い
支えるのを喜びにするような使命を持った
高貴なお方になりたい

うやうやしく差し出された盆は
選べということではなく
すべてを貴女が実行するために
お役に立ちますと語る誰かの両手

時間と空間把握から解放し
わたしを定刻に約束の場所に連れて行ってくれる
わたしの持ちものを失くさせず
わたしを最大限集中させてくれる御手

ああ神様わたしにどうか、ペンを握る時間を!

Feb9, 2020
-satomi


* * * 【理性のことば】〜かいせつ〜 * * *

 

「取らぬ狸の」は、自分の得手・不得手を理解し、得意なところを活かして社会貢献する個人でありたいという願いを込めて書きました。得意なところというのはしばしば、好きなこととも大きく重なっています。好きを突き詰めること、そしてそんな人の邪魔をせず自分に集中する人間が増えることが、世界平和の一番の近道だと、断言します。

 特に発達障害グレーゾーンの人には、自分も含めてそうあってほしい。尖ってるところを強みに変えて欲しい。決して、人を傷つける割れた空き瓶のようにはなってほしくないし、それはもったいない!社会の損失だ、と強く思います。それには自分の弱さを認めて抱きとめてあげないと、いけない。鬼滅の刃でいったら、炭次郎の存在を、自分の中につくってあげないと、いけない。それには意志の強さが必要。

(余談ですが小中高生に空前の大人気の「鬼滅の刃」は、実に発達障害への示唆に満ちていると感じています。後日書きますね!←もちろん耳の良い善一ファン♡)

 今回、より書きたかったし切迫しているのが「ペンと櫛と包丁」の方です。母という役割は不文法で色々なことを、要求される。私という、生物学的にもジェンダー的にも女性を自認する人間が一人の人間として社会に関わることを目指したとき、女という記号は重たい枷を背負っている。21世紀の令和の今でも、アンシャンレジームの記号論を捨て切れない集合意識。

 でも、拗ねるパートナーにがっかりするのも、自分の立場が恵まれてないって吠え続けるのも、無駄だって気づいたんだ。

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