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予想外の感情…

妹の誕生に備え、父親夫婦はワンルームのマンションから3DKのマンションに引っ越していた。
古い木造平屋建ての祖母の家と違い、新築のマンションは快適である。
エアコンにウォシュレットにマッサージシャワー。
全部祖母の家には無い物ばかり。
それどころか、私の部屋の窓なんて一部割れていてガラスの代わりにビニールが当ててあった。
冬は室内で白い息が出る。
台所にあったストーブは何度私の部屋の方に向けても、お兄ちゃんの部屋の方に向きが変えられた。
妹はもちろん快適なマンションで暮らす。
退院の日、私もマンションへ行った。
改めて、妹と対面…
【…可愛い…】
それが私の感想だった。
自分でもビックリした。
あんなに望んでなかった妹の誕生なのに。
なんだか…無償に可愛い…
そして、この妹の可愛さが後に私の人生を変える事になる。
しかし、その時はそんな事とも知らず、妹への自分の感情に戸惑いながらも無事小学校を卒業した。

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