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♮リアスクライブ 物語りシリーズ Vol.2 「一度きりの青い夏」公演

恵比寿CreAto は、以前良く足を運んでいた LIVE GATE TOKYO のあったところ。
設備は新しくなったが、ところどころに昔のよすがが残る。
何故この箱なのか、その疑問は見終えて氷解する。

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序盤から終盤はいつものライブ。
趣向としても特別な公演であり、更には 天乃さや の22回目の誕生日でもあるからか、なかなかの盛況。

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今回は撮るのに手一杯。 メモなどは採るゆとりもなかったが、耳から入って来る音に驚くこと屡々。
歌の面での進歩が様々な場面で感じられる。

技巧や表現力だけでなく、調子の良くない時に如何にその日その時に出来る最善を尽くせるか。

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喉を気にする素振りが時折見られた早瀬さくらだったが、悪いなりに良いと言うか、なんとかはして来る。

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張って通る声は出せるものの粗削りではあった涼風つばさも、良さを殺さずに自分の声を飼い馴らせつつある。

最初はピンと来なかった「記された言葉」。
大箱での対バンライブで聴いて以来、認識か変わって来た。
音響機器の整ったところで聴くと、響く低音が耳だけでなく躰をも震わせる心地良さに身を委ねることが出来る。

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出来ない事を減らし、出来る事を増やす。
出来る事を磨き、得意な事を増やす。
歌も然り、振り付けも然り。
鼓膜に絡みつくような特徴的な声を活かしつつ、出せる音域を拡げ、出せるだけでなく使いこなしつつある。
頑張らなくても出来る振り付けの動きが増えたので、「頑張っている顔」をしている時間が短くなる。
それらが自信となって表情にも現れるので、写真に撮っても歩留まりが良い。
「照れ隠し」を擬人化したような人なので、努力の素振りも見せないが、舞台の上で答えを出して行く。
今の天乃さや、良い。

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撮っていて驚いたのは 姫宮るな。
生誕祭のセルフプロデュースはアイドルになって3か月とは思えない見事なものだったが、そこで「見せ方のコツ」のようなものを会得した感がある。
美点にまず目が向く視点誘導。

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アイドルとしての自信を身に付けつつある 日向みゆ。
アイドルとしての意識が切れて素に戻る事が無くなった。
身の丈に合った自信は、人を輝かせる。

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ガツガツしたところが無く、自ら前に出て行くことは無いが、気がつくとそこに居る。
目立とうとしない事で目を惹く。
夢咲あむ のアイドルとしての在り方は、一寸面白い。

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切れ味良く、スパっと動いてピタリと止まる 愛芽ばく。
これ見よがしなところは無いが、基礎がしっかりしているので、当たり前にやって見せている事の質が高い。

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最後の曲は、リアスクライブとしてはこの日初披露となる Fantasy Summer Quest。
「物語り公演」は、新しい曲をレパートリーに加える際に、その曲に相応しい演出で歌詞の世界観を表現。
前回の「絶対絶対」では朗読劇、今回はステージ背面全体のスクリーンに夏を象徴する風物や催事の映像をバックに歌詞を投影して、行く夏を惜しむ趣向。

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季節的には「行く夏」。 しかしここ数年、熱いばかりで夏らしい事はまるで出来ない状況下に置かれており、映し出された光景は幻の夏でもある。

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衣装の上にTシャツ。
前から見ると白いTシャツだが、背中に大きくグループのシンボルとそれを囲むメンバーカラーがデザインされたものが入る。

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このTシャツに着替えるのに手間取ったらしく、転換に時間が掛かってしまっていた。
今回は暗転してメンバーが捌けて、明確な「一と区切り」があった事。
最後の一曲で特別な趣向があるのを客の方でも分かっていた事。
それで堪えられた間だったが、課題ではあると思う。

視野を映像で満たして曲の世界に没入できるようにする為のライブハウス選定も含めて良く練られた企画だっただけに、画竜点睛を欠くの感はあったが、瑕疵らしい瑕疵はそれくらい。
今回も良いライブだった。

(2022.09.04 記)



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