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Shupines定期公演〜しゅぴねすぱれーど〜成瀬陽菜編

よんどころなく残業してから帰宅し、晩飯を掻き込んでから家を出ても何とか間に合う。
「近い」と言うのは実に有り難い。

電子チケットサイトだと20:10開場、ツイッターの告知だと19:45開場になっている
着いたらもう始まってましたではシャレにならないので、早い方に合わせる。
果たして、こちらが正解。

9月は、活動休止期間と病禍の間に過ぎ去ってしまったメンバー3名の生誕祭代わりにプロデュース公演。
今週の担当は成瀬。

いつものオーバーチュアに乗って出て来ての序章。
成瀬はセーラーカラーのワンピースに犬耳、他のメンバーはそれぞれの担当色(もしくはそれに近い色)のメイド服に猫耳。

セットリスト(藤乃さやツイートより借用)
Overture
1.テトテ
MC
【プロデュース公演特別コーナー】
2.いぬねこ。青春真っ盛り
3. My Voice Is For You(陽菜ソロ)
MC
4.君と僕の交差点
5.泣き虫おもちゃ箱
6.オニオングラタンスープ
7.カラフルチェリー

借り物の曲でも、そうは感じさせないような準備はしてきている。

成瀬のソロ。
歌唱可能音域の幅であったり、声の質であったり、出来る事と出来ない事を見極めた上で、持てる技術を総動員して出来る事の上限より少し上を提示してくる。
この辺りは矢張りプロ。 見る者の耳と目を、グイと引き付ける。

一つの動作を細かく分解し、隙間に成瀬陽菜の解釈を詰め込んで再構築することで手数を増やす成瀬と、手数そのものを増やしてしまう矢野桜子。
心身にどうしても好不調の波がある事を考えると、いざと言う時に端折ってもバランスの崩れない成瀬のやり方に一日の長。
矢野の試みも悪くはないが、全体の調和とは相容れないところがあり、もう一と工夫欲しい所。
アイドルとして舞台に立って数か月でここまで出来ている事がそもそも驚異なので、ここから先の矢野に期待。

藤乃さや は、大きく踊り、大きく笑い、大きく歌う。
「オレはやるぜオレはやるぜ そうかやるのか やるならやらねば」的に、犬ぞりを先頭に立って引っ張り、顔がクシャっとなるくらいに思い切りよく笑う。
今日は気負いが中程度で、頑張り過ぎずに上手く抜けていた。

夏目みなみは振り付けに色を付けないのだけれど、当たり前のようにやっている「当たり前」の精度が高い。
引っ張るメンバーがいれば、支えるメンバーも居る。

誘った友人が感心していたのが星乃綾夏。
息が上がらないのに驚いたとの事。
そこで生まれるゆとりが、舞台の上での視野を広げているように思う。

葵葉ほのか が面白くなってきた。
歌でも振り付けでも、意図しない形での独自解釈が、厭味にならない程度に乗って来て、設問を作った側が想定していない解法を編み出し、正解の近似値を導き出す。
理詰めで正解を出す成瀬とは対照的に、感覚的に、確信を持たずに「こうかな?」とやっているあれやこれやが、「正解そのもの」ではないが、アイドルとしては正解。
両側頭部に逆さに巻貝ぶる提げたような巻き髪ツインテールも正解。
危なっかしい告知も正解。
存在そのものが正解。


「君と僕の交差点」は新体制になって初披露。
定期公演としては、尺の割に曲数も多い。
これはプロデュースした成瀬の意図するところだったようだ。
曰く「みんな沢山聴きたいだろうと思って。」

分かってらっしゃる。

(2022.09.13 記)

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