第9回 互人展
ギャラリー・ルデコ6階で開催されているポートレートのグループ展。
グループ展と言うか、親分と引き立て役の子分数人の写真展の趣。
前回見に来たときは、親分が子分の写真を大声でこき下ろして楽しむ現場に居合わせて不快な思いをしたが、今回も似たような感じで、暇を持て余してか声高に薄っぺらい写真論を語る受付担当者が煩い。
親分らしき出展者は大作中心で点数も多く、額装にも金が掛かっている。
子分の方は掛けるべき金を惜しんだ部分(例えばハレパネの台となる部分のスチロール板を継ぎ接ぎにして表面に凸凹が出来てしまったり)が粗として出てしまっていて、それで良いのかもしれないが引き立て役に。
写真を撮る技術そのものはあり、出力までは上手く行っているのだけれど、見せ方が稚拙。
作品の配置も吟味されていないし、水準器を使わずに設置しているので水平も垂直も無い。
一寸やそっとの傾きではなく、パーティションの端にあったものにノートをかざして見たところ、上端と下端で数センチのズレ。
それで平気なのだから恐れ入谷の鬼子母神。
金はあるが掛けるところを間違えていると言うか、遣い方を知らない。
文明の恩恵には浴しているが、文化に親しんで来なかった底の浅さが露呈。
田舎大尽の財布の厚さ自慢のようで、哀れを通り越して滑稽ですらあった。
(2024.005.01 記)
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