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Shupines ONE MAN LIVE 〜 Be ambitious!!!!! 〜

毎年2月に、周年行事としてワンマンライブを開催して来た Shupines が、9月に開催するワンマンライブ。
オリジナルメンバーだった成瀬陽菜を送り出し、新メンバーとして横音ひなを迎え、固まりそうで固まり切らなかった体制が、落ち着くところに落ち着き、一歩を踏み出すタイミングとしての9月。
あらためてのお披露目と言う趣。

会場の横浜みなとみらいブロンテ。
天井も高く、設備も良いハコだが、どの駅からも少々遠い。
時間を勘違いしてギリギリの到着になってしまった為、横浜駅東口からタクシーを使ったが、説明に手間取る。
「アンパンマンミュージアムの近く」で漸く話が通じた。

会場近くに時間を潰せるような店が無いのも瑕と言えば瑕だが、空調の行き届いた館内で整列できるのは有難い。
ほぼ定時に開場/開演。

セットリスト

前半に「しゅきです!」、終盤に「仰げば尊し」と、新曲を1曲ずつ披露する意欲的な構成。
どちらも分かりやすく、取っ付きやすく、盛り上がりやすい曲。
「仰げば尊し」は、振り付けをメンバーの矢野桜子が担当。分かりやすく覚えやすい動きを盛り込みつつ、矢野のソロダンスから波が拡がるように激しく踊る部分も作るメリハリ。

アンコール前に流される映像の編集も、メンバーの横音ひなが手掛けたもの。
「ああしたい」「こうしたい」を、自らの手で実現できているのは良い。
アンコール映像の方は、素材の選択や繋ぎのタイミング、流れは良かったものの、制作環境(スマホ/PC)とLEDスクリーンの照度差、コントラストの差で白飛びし過ぎていたのが惜しかった。
通常の「メンバー制作映像」ではそこまでやらないのだけれど、そこまでやるどうかしている手合い(※石川野乃花)が近くにいるので、盗んで欲しい。
横音ひなの特質は「過剰な熱量」だと思うので、次に期待している。

衣装は、2022年の2月から5月までの短期間使用されたチェックの衣装を仕立て直した物。
水色と黄色、紫はパステル。 赤とオレンジは原色寄り。 違和感は無い。
当時も在籍していたメンバーは藤乃さやだけであるが、こちらもベレー帽を新調。
ベーカリー店員的と言うか、大黒様の頭巾というか、そんな趣もあったりなかったりするが、藤乃のたっての希望で作られたらしいので、ここは祝っておこう。

横音ひなは巨大リボン、葵葉ほのかはドアノブなど、ヘアアクセもぞぞれに合わせてある。

そんな訳で、それぞれの髪型。

藤乃さや ベレー帽を被ったララァ・スン
横音ひな 高めのポニーテールに巨大リボン
葵葉ほのか クリっとしたボブにドアノブ二つ
矢野桜子 ふわっとした巻き下ろしのハーフアップ
星乃綾夏 側頭部を編み込んだストレート

かつて「ドアノブ」と呼ばれていたもの、現在は「お団子カバー」と言うらしい。

新曲を2曲盛り込んだことで、演らない曲も出て来たが、聴かせる曲、盛り上がる曲と、全体のバランスは良かったと思う。
全体としては、分かりやすく、盛り上がりやすい曲の比重を増やした感じ。

これまでの楽曲がスノッブ寄りのものを多く含んでいて、独自性はありつつも普遍性には弱さもあったので、より広く知って貰う為の施策としては首肯できる。

1つ申し添えておきたいのは

Bitter Sweet Love はお蔵入りにしないでね(切実)

まー、対バンとかでは遣りにくいと思うので、たまーに、どここかで。

アンコールが掛かるまで、暫し間があったが、これは主導権争いの牽制とか、押し付け合いとかそういう事ではなく、メンバーの着替えの時間を測ったりしての事だったようだが、割とトラウマになるような出来事を経験しているので、少々心臓に悪かった。

AKB48チームA 『アンコールが掛からなかったら今日はアンコール無しでした事件』

始まれば和やか、かつ賑やかに。

自分の言葉で、起承転結のある話をする。
これがやるとなると難しいのだけれど、そう言う仕事をリーダーとして担ってきた藤乃さやだけでなく、星乃綾夏も語り切れる人になっていた。
星乃綾夏の発する言葉には、主張して聞かせる圧ではなく、浸透圧のような聞き入らせる力がある。
右から左に通り抜けず、心にふわりと残る。

歌とダンスの方では矢野桜子が中核を担える存在になり、葵葉ほのかは客席全体への目配りが「見ていますよ」という安心感を与えている。

加入から1年経って、3人それぞれがグループに必要な人になれていることを強く感じる。
伏龍(矢野桜子)だけでなく、鳳雛(葵葉ほのか、星乃綾夏)も育て切ったことが、グループとしての強みに。
そして、その環境が更に異なる種類の「初めてアイドルになる人」である横音ひなを育てる肥沃な土壌になっている。

これまで引っ張って来た藤乃さやも、自分の為に使える時間や、考えるゆとりが増えるのではないかと思う。

新章の始まりとして、希望を感じられるワンマンライブだった。

ハギ子さんはいなかった。

(2023.09.10 記)

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