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+p 2023 プラスポートレート2023

4週間通しで、ギャラリー・ルデコの全フロア貸し切りで行われる写真展の二の矢、プラスポートレートへ。

目を惹いたものなど。

5F


camcam
榛名さと

太宰の作品にも登場する三鷹の跨線橋で撮られたもの。
ロケーションに頼り過ぎない程の良さ。
色が浅めの、少し焼けたようなプリントが、この写真にはよく合っていた。
夕方に撮ったのでそう付けたのだと思うが「斜陽」はタイトルとして似つかわしくないように感じられたのが瑕と言えば瑕。

けん
雪乃のあ

モデル見本市と言う意味合いもある写真展で、それに適う写真として良く出来ていた。

4F


植松勝彦
熊本アイ

暗め、淡め、ピント浅め。
よくよく見ると表情が読み撮れて来る、噛んで味の出る写真。

probelayer
つばさ

召し物が人柄を表す手段として使われた和装ポートレート。
額装が一寸雑だったが、写真そのものは悪くない。

3F


sunlight
有栖悠

ロケーションに拘りつつ、それに振り回され過ぎない。

前週までのポートレートライズと比べると、展示方法の自由度が高い。
あちらがイコールコンディションで写真そのものを見比べるものだとすると、こちらは展示方法も含めての写真表現に寄せたもの。

但し、展示の公平性は確保されている。
展示スペースにゆとりがあるからか、使用している壁面は距離を撮ってみることの出来る部分に限られており、袋小路や隘路は避けられていた。
公式のものとして写真に添えられるのは、撮影者名とモデル名、SNSのサムネイルとQRコードのみ。

三面の壁を使える袋小路や、距離を縮めないと見ることの出来ない隘路「だからこそ」出来る展示もあるので、敢えてそこを使いたいという出展者が現れた場合は、使わせても良いと思う。

ポートレート系の公募展は幾つもあるが、プラスポートレート系のものは「かくあるべき」的な規範や、特定の権威による啓蒙の押し付けが無いのが良い。
大人の文化祭としての居心地の良さ。

一点、改善して欲しいのは写真展名称のゆらぎ。
「+p」なのか「プラスポートレート」なのか「+p(プラスポートレート)」なのか。

(2023.01.21 記)

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